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「まさか自分が」と誰もが思っている

発端は検診での再検査

人生初のMRI検査だ!

組織採って調べてみませんか?

またも結果は持ち越しなのか……

Y先生との出会い

もう一度エコーとMRIをやる

浸潤性小葉癌かも?

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発端は検診での再検査

2011年2月、在住する自治体の乳癌検診と子宮頸癌検診をS病院で受けた。2年前にも同じ病院で同じ検診を受けたのだが、その時もマンモグラフィで引っかかって追加でエコー診をし、念のために穿刺細胞診もされた。細い注射針を病変に刺して細胞を吸引して見る検査で、疑わしい箇所がよりによって乳頭直下だったため、敏感な場所だけにちょっと痛かった。結局その時採った細胞からは癌を疑う所見は出なくて、ひと安心したわけだが。そういう経緯があったので、乳癌検診だけは間を空けずに受けておかなくっちゃと思っていた。

S病院のシステムでは、検診の結果は郵送ではなく、だいたい1ヵ月後に受診して医師に直接説明してもらうことになっている。私の結果は3月半ば頃には出るとのことだったけど、ちょうどそのタイミングで東日本大震災が起き、引き続き福島の原発事故が起き、そのショックで検診の結果のことなんてサッパリ吹き飛んでしまった。これまでにない異常で不安定な心持ちでほぼ1ヶ月を過ごし、もろもろのショックも余震の回数も和らぎかけた頃、そういえば検診受けてたんだっけと思い出した。どうせ大丈夫なんだろうけど放置しておくこともあるまい、GWに入ってしまう前に結果聞いてきちゃおう、その程度の気持ちでS病院に行ったのは連休直前の4月の24日だったか、25日だったか……。

2年前と同じく子宮頸癌検診には何も問題はなかったのだが、やはり今回もマンモグラフィが引っかかっていた。この病院はそもそもが産婦人科で、乳腺科は外部の先生が週2回来るだけ。私が検診に行った日は乳腺外来のある曜日ではなく、マンモグラフィは専門の技師さんが撮ってくれたけど、視触診は婦人科の先生がちゃちゃちゃっとすませて「うん、大丈夫」と言っただけだった。

私の在住する区のマンモグラフィ検診は見落としがないようにと2人の医師が別々に読影してくれる。だから検診での視触診はあまり重要視していないのかもしれない。私の場合は右胸に広範囲の石灰化があったのだが、1人は「良性の石灰化なので問題なし」、もう1人が「悪性の可能性も否定できず」としてきた。ちょっと怪しいから引っかけておこうか程度だったんだと思う。そのままエコー検査に回されたのだが、その日は午後から乳腺外来があるので診てもらいなさいということで、昼食後に再び病院に戻ってきた。

その日の外来を担当していたのがM先生。私の“恩人第1号”となる先生だ。呼ばれて診察室へ入ると、彼は私のマンモグラフィ画像を睨みつけながら腕組みをし、うぅーーんと唸っていた。今年の画像の隣に2年前の画像も並べてある。私の素人目には2年前のものも今回のものも白っぽく広がる石灰化の状態は同じように見える。いや、むしろ2年前の方が濃く見える。それは2歳若いぶん乳腺が発達していたからということは後でわかったことなのだけど。その隣にはさっき検査室で検査技師さんが撮ってくれたエコー画像も並べてある。

さっそくM先生に触診してもらった。丹念に診ながら「あれっ、見えてる感じにはしこりが触れないね」とちょっと意外そう。私としてはやっぱり良い方に考えたいものだから「えー、だったら大丈夫なんじゃないですか?」という気持ちになってしまう。私は実母が乳癌を罹患してほぼ完治しているので、この病気が闇雲に恐れるものでないことはわかっているが、かといって積極的に罹りたいわけではない。血縁関係に乳癌患者がいればそのリスクは高くなるのは承知していたので、母の胸のしこりを触って「こういうモノが出来たらいけないわけね」とその感触をしっかり覚えこみ、ほぼ毎日のセルフチェックは欠かさなかったのだ。だから、しこりなんて絶対ないってことは私がよーーくわかっているのだ。

「もう一回エコーで見てみようか」
先ほどのエコー検査は検査技師さんによるものだったので、M先生自ら直接チェックしてみたかったようだ。まあ、いいか、エコーなら。痛くないし。
プローブを滑らしながら先生はまたも「うーーーーーん」と唸る。首もひねっている。
「え、ど、ど、どうなんですか???」
「何かねえ、こう一瞬ねえ、垣間見えるような感じがするんだけどねえ、うーーん、角度によっては見えなくなるねえ…」
「え、えと、えーと。見えなくなるんなら違うんじゃないですか??」
「うーん。悪性のものっぽくはないんだけど絶対良性とも断言できない感じだね……。2年前の細胞診では何も出なかったんだよね?」
「はい。だってあの時と変わった感じしないですよ?」あの時は乳頭の色が左右違うことを指摘され、そこに針を刺して検査したのだ。2年経って、左右の乳頭の色は依然として微妙に違うままだ。
「お母さんが乳癌だったって言ってたよね?」
「え、えーと、はい」
「そういうのもちょっと気になっちゃうんだなあ……」
先生は何度も何度もジェルを足してプローブを滑らせていたけれど、明らかな異常所見を見つけることはできないようだった。決め手を欠いてはいたけれどとりあえずエコーは終了。M先生はしばらく無言で考えていたけれど、おずおずと提案するかのように「ねえ、MRIの検査受けてみません?」と言った。
「1万円以上かかっちゃうんで無理にとは言わないけど。でも受けてみて何ともなければそれでいいんだから僕は勧めるけど……どう?」
正直に言って面倒くさいなあと思ったのだが、やっぱり白黒つけないと不安でもある。それよりも、M先生が一生懸命で私を案じてくれているのが伝わったので、断ってしまうのは申し訳ない気持ちになったのだ。MRIはS病院にはないので、別施設に行かなくてはならない。M先生はその場で電話してK病院に予約を取ってくれた。すでに今日がGW直前なので検査は連休明けの5月11日になる。結果はしばらく持ち越しだ。

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