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発端は検診での再検査

人生初のMRI検査だ!

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Y先生との出会い

もう一度エコーとMRIをやる

浸潤性小葉癌かも?

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人生初のMRI検査だ!

この段階ではまだ不安はなかった。だから、MRI検査なんかするの面倒くさいなあ、それもわざわざ他の病院にまで受けに行かなくちゃならないなんて、などと考えていた。癌を見つけてもらいにというよりは、癌でないことを確認するために受けるんだ、という気持ちがほとんどだった。でも、もしかしたら癌かもしれないんだなという気持ちがわずかにあったので、しばらくお預けになるかもしれない温泉旅行なんぞに行ってくることにした。癌疑いの気持ちの比重が高かったら、こうして待っている期間も耐えきれずに不安に押しつぶされてしまったかもしれない。

検査の日は嵐だった。横なぐりの雨と風。照ろうが降ろうが検査には関係ないのだけど、悪天候だと心もよけいに重くなってくる。鬱屈した気分のまま身支度を整えK病院に向かった。K病院は自宅から距離的にはたいして離れていないのだが、交通機関の連絡が悪くてバスを2本乗り換えなくてはならない。

たいていの病院がそうだが、CTやMRIなどの検査室は地下にある。そもそもがこういう場所に来るのは何かしらの体調不安を抱えているからなわけで、人間ドックなどの場合もあるだろうけれど積極的に楽しむ場所ではない。窓がなくて暗くて、いるだけで本当に気持ちが滅入ってくる。検査室はしかたないにしても待合室くらいには燦々と陽光が射し込んでいてほしいものだ。

検査着に着替え、時計やアクセサリーなど金属のものを外して待つ。
呼ばれて検査室に入ると、天井全面に白い雲が浮かぶ青空の壁紙が貼ってあった。ここは窓もない地下なのに。外は嵐で空は黒雲に覆われているというのに。でも、ちょっぴり気持ちが晴れたような気がした。
さあ、人生初のMRI検査だ! よっこらしょと検査台に上がると、造影剤の点滴を入れるために手首に針とチューブがセットされた。とても大きな音がするというので耳栓代わりのヘッドホンも装着される。気分が悪くなった場合に押すコールボタンも手に握らされた。乳腺のMRIはうつぶせで撮る。台に∞の形の穴があいていて、検査着の前を開き、乳房を垂らすようにはめ込むのだ。額のあたりにはドーナツ型の枕がある。

MRIの機械はCTよりも狭くて、閉所恐怖症の人には耐えきれないほどらしいけれど、うつぶせになっていたせいもあったのか、別に狭さは感じなかった。それよりもまあ、話には聞いていたけれど、検査の音のうるさいことといったら! いったい何がどうなっているんだか、およそ精密機器の発する音とは思えない、本当に工事現場にいるみたい。その騒音もバラエティに富んでいて「ゴンゴンゴン」「ガガガガガ」「カンカンカン」「キュルキュルキュル」とさまざま。正直に言うと私はそんなに不快ではなくて、「次はどんな音がするのかな?」などと考えていて結構おもしろがっていた。途中で「これから造影剤を入れます」とのアナウンスがヘッドホンから響いた。手首から流れ込んでくる造影剤はびっくりするほど冷たくて、ああこれはアトラクションじゃなくて検査なんだなあと改めて認識したくらいだ。検査は30分程度で終わった。

MRIの検査結果はK病院から直接S病院に届けるとのことなので、その日は支払いをすませて仕事場に向かった。雨足はいっこうに弱まってはいなかった。

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