疑惑〜確定診断編 >>>>

「まさか自分が」と誰もが思っている

発端は検診での再検査

人生初のMRI検査だ!

組織採って調べてみませんか?

またも結果は持ち越しなのか……

Y先生との出会い

もう一度エコーとMRIをやる

浸潤性小葉癌かも?

痛い痛い痛い針生検

確定診断の日

「いい癌でよかったね」

知識武装して恐怖に立ち向かう

手術日と術式の決定

形成外科を初受診

どんどん気持ちが滅入ってくる

先生におまかせいたします!


摘出手術・治療編 >>>>


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浸潤性小葉癌かも?

2011年7月4日、Y先生の診察を受けに再びM病院へ赴いた。今日こそ答えをもらうのだ。

MRIの画像は乳房を正面方向から撮ったものと側面から撮ったものとで30枚くらいあり、確かに右乳房の乳頭中心から放射状に白っぽくなっている。前の撮影より造影剤を増量したのかもしれない、もしくは技師の技術か検査機器も違うのかもしれない、かなりクッキリ写っている。Sさんの撮ったエコー画像もある。S病院から借りてきたマンモグラフィ画像も並べられている。
たくさんの検査画像を前に、今日もまた念入りな触診をしながらY先生は呟くように言った。
「浸潤性小葉癌かもなあ……」
小葉癌? 初めて聞く単語だった。私の母は5年前に乳癌に罹患し全摘手術をした。高齢者ならではの病(高血圧とか血糖値高いとか腰や膝が痛いとか白内障だとか)はゾロゾロ持っているが、基本的に元気にしている。その時も私はこの病のことをたくさんたくさん調べたので、そもそも一般の人よりはベースの知識は持っていた。さらにこの3ヶ月近くで知識や情報を上積みしたつもりでいたのに。浸潤はわかる。母の時にも主治医の口から出た言葉だ。今日の受診にのぞむにあたって、いろんな結果を想定して何パターンかの受け答えを用意していたのに。そのどれにも合致しない単語が出てきたのだ。

でも先生は結局それ以上は何も言わなかった。ハッキリ確定出来るまでは何も言わないのだ。これまでずっと「癌じゃない」と自分に言い聞かせてきたが(言いくるめようとしていたって方が正確かも)、そろそろ「癌なのかもしれない」という気持ちになってきた。でも、まだ誰も断言はしていない。違うかもしれないのだ。

「針、刺すよ」Y先生はちょっと申し訳なさそうに眉根を寄せて言った。
「……針生検、ですか?」
「そう」
「だってあれ痛いのに……」嫌だ嫌だ嫌だ。
自問自答してみた。痛いのが嫌なの? 違う、今度こそ厳然とした事実を突きつけられてしまう、きっとそれが怖いのだ。
私は返事が出来ないままがっくりと俯いて自分の爪先に目を落とした。あ、ペディキュアが剥げかけてる。最初にマンモグラフィ検診を受けた日はブーツを履いていたのに、今日は素足にサンダルだ……それだけ季節が変わってもまだ白黒ついてない……そんな思いが頭の中をぐるぐるしていた。
ずいぶん長い時間だったような、だけど実際は10数秒ほどでしかなかったのだろう。Y先生は頭がぐるぐるしている私を無言で待ってくれていた。うなだれた頭頂部あたりに視線を感じてゆるゆると顔を上げると、正面には穏やかに微笑む先生の顔があった。
「決心、ついた?」
「やっぱり刺すんですね………」逃れられないのだ、仕方なく頷いた。
「じゃあ、準備するから。いったん待合室で待っててね」

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