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入院の日

手術──辛く長い一夜 その1

手術──辛く長い一夜 その2

“術後ハイ”になる入院生活

とりあえず退院しちゃおう

雑踏が怖い、満員電車が怖い

おっぱいが2倍に腫れてきた!?

ああ、自分の場所に帰ってきたんだ

病理結果に打ちのめされる

感染した!!!!

どんどん変な色と形になってくる

いつまで足踏みしてたらいいのだろう

一歩進んで二歩戻る

二度目の手術は日帰りで

今度こそよくなっていくといいなあ

4ヵ月遅れの再建スタート

どうしてまた腫れてくるの!?

再建は諦めなくちゃならないのかな

「なんとかしてやれなくてごめんな」

三度目は一番悲しい手術だった

痛みより痒みの方がつらいなんて

醜い瘢痕拘縮

自家組織での再建を決意する

前を向いて歩こう


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どうしてまた腫れてくるの!?

3度目の水注入をして一週間経過したが、なぜか今回はまだ胸がいつまでも痛い。前回までの注入は元々の自分の乳房を埋める程度だったんだろうけど、いよいよ組織拡張段階に入ってきたということか……。ひきつれるような痛みが常にある。術後の痛みや、滲出液で浮腫んでじんじんする痛みや、感染症のキリキリする痛みや、そういう痛みに比べれば、ずっとずっと前向きな痛みではあるけれど。2週間後にまた形成の受診があるが、次は50ccは入らないかもしれない。

日を追うにつれ、私の右胸はまた赤みを増してきた。感染してた時の10分の1以下程度ではあるのだが、痛みも常にある。二週間ほどそんな状態をやり過ごし、3月13日にY先生のところに行ったのだが、今回も一目見るなり先生の顔が曇ってしまった。やっぱり赤みが強くなってきているらしい。あんまりいい感じではなさそうなのは、視触診している先生の眉毛が下がりっぱなしなのを見ていればわかる。
「うーん、これは……。エキスパンダーが刺激になっているのかなあ」
「先月の23日、最後の50cc注入が痛かったんですけど」
「でも当たってる感じはないなあ」
「はい。前みたいに角が尖ってはないですし。それにね、痛みだって感染の時ほどひどくないし。それに、それに……」たいしたことないと一生懸命アピールする私は、また足踏み状態に突入しつつあることを認めたくないのだ、きっと。
「なんか、このぶよぶよした感触が変な感じなんだよなあ……」えっ、これってぶよぶよしてるの? エキスパンダーが膨らんでプリリンとしていたわけではないの?

結局エコーで調べてみようということになった。
「ああ、ちょうど術後半年経ったんだねえ、どうせエコーやるなら半年検診もしちゃうか」
ということで、健側の胸とリンパ腺もしっかりチェックしてもらい、こちらには再発の兆しは微塵もないことを確認してひと安心。
そして問題の右胸はというと、エキスパンダーと皮膚との間にところどころ空間が出来ているのが見える。おそらくはなにか液体状のものが溜まっているのだろうとのことで、またも針を刺して抜くことになったが、これがY先生とナースと検査技師との3人がかりの作業だった。Y先生はエキスパンダーを破かないために一番スペースの大きそうな空間を探り、位置決めするとプローブを検査技師に渡して固定してもらい、目は画面に据えたまま手探りで慎重に針を刺す。針と注射器は長いチューブでつないで少し離れた位置でナースがスタンバイ。Y先生は針を刺し終わると再びプローブを受け取り、合図と一緒に検査技師が乳房上部から下部へと絞るように押し、ナースが注射器を引く。緊迫する雰囲気だったが、どろっと黄色い粘液みたいなものが10ccちょっと抜けた。
「一応、これは分析と培養に回すからね。でも、何にも出ないような気がするなあ……」
「私もそんな気がします」きっと菌による感染なんかではない、でもだったらどうしてまた赤く痛くなるのか、拒絶反応であればもっと激しいものなのではないのか、なんか変だおかしいとY先生も感じているのだ。
その日、私は目玉を取り出して洗ってしまいたいくらい花粉症がひどい状態だった。Y先生はいつのもホルモン剤を処方するついでにアレルギーの薬も出してくれ、
「もしかしたら腫れの引きにも効果あるかもしれないし……」との言葉も添えられた。

翌々日の15日は形成の受診日だったが、さんざん押されたり刺されたりしたおっぱいは紫色になってしまっていて、慎重派のS先生はやっぱり水の注入はしてくれず、月末にまたいらっしゃい…となった。せっかく月一回の通院になったというのに! また頻々と通わなくちゃいけないのね、それも2ヶ所に。結局、3月は5回も通院することになってしまった。

翌週の22日、Y先生を受診したが、抜いた膿を培養したものからは何も菌は出ていなかった。そんなことだろうとは先生も薄々思ってはいたようだった。だって、前回の感染の時も菌は出てなかったんだから。抗生剤何種類も取っ替え引っ替えしたけど、意味なかったわけだし。赤みはだいぶましになってきたけれど、まだまだ普通ではない。もしかしたらアレルギーの薬が功を奏し始めているのかもしれないけれど、そうやって薬で押さえるというのは対症療法に過ぎず根本的な解決ではないわけで。問題なのは、やんわりとはいえ身体が異物を拒絶しているのなら、エキスパンダーをシリコンに入れ替えたって同じことなんじゃないのかということだった。私がその懸念を口にすると、
「入れ替え手術しちゃった方がいい気もするけどなあ、でもあなたのいう心配も当たってる部分あるしなあ。うーん、どうしたもんかなあ」Y先生も悩んでいる感じだった。
「S先生は入れ替えと乳頭乳輪形成、同時にやっちゃうって仰ってましたけど」S先生が診た時にはもう少し赤みが弱かったのでそう言ったのかもしれないけれど。
「えっ、それはやめた方がいいよ。だって軽自動車買えちゃうくらいかそれ以上のお金かかるんだよ? 結局シリコン抜くことになったらぺったんこの胸に作った乳首だけ残ることになるんだよ」確かにそれは変だし、金額的にも肉体的にも精神的にもダメージが強すぎる。ちょっとそのあたりが不安になってきたところだったのだ。
とりあえず入れ替え手術は出来るんだろうけど、だとしたら年がら年中「腫れた」「膿たまった」「痛い」「赤い」って、それを一生続けていくことになるんだろうか? 異物が挿入されている違和感を抱えていくことは覚悟してるけど、それだけではすまないかもしれないのだ。あまりに皮膚の炎症を長引かせてしまうと、皮膚が破れて中身が露出する心配もあるという。
それでも、自家組織での再建にはやっぱり怖くて踏み切れない。反面、命に問題がないことでこんなふうに悩むのは贅沢なんだろうか、とも思うのだ。だって再建しなくたって死なないんだもの。でも、でも、でも、でも……!

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