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皮膚パッチテストの一週間

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なんでこんな手術受けちゃったんだろう……

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快復停滞の分岐はどこにあるの?

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皮膚パッチテストの一週間

1年め検査の結果を待つ間、皮膚パッチテストをした。シリコン素材に対するアレルギーを念のために調べておいた方がいいというS先生の提案だったのだが、検査を強く勧めたのはS先生の助手のC先生だった。
「やっぱり自分のアレルギーのことはちゃんと調べておいた方がいいわよ」7月の末頃、そう言われて皮膚科に回されたものの、薬剤を貼りっぱなしにするため汗をかく真夏は避けた方がいいとのことで、改めて10月の予約を取り直した。

10月1日にM病院を受診した。皮膚科のF先生はちゃきちゃきっとした女医さん。
「形成から話は聞いてますけど……これ、今さら調べて知ってどうするの?」
F先生が不思議に思うのもごもっとも。私がエキスパンダー抜去を余儀なくされたのは、異物に対する拒絶反応であって、特定の素材に対するアレルギーではないように思う。アレルギーのせいじゃないとわかっても、エキスパンダーがもう一度使えてシリコンインプラントでの再建が可能になるわけじゃないんだから、調べて知っても確かに意味はない。
「うー…ん。アレルギーっていうのとはなんか違うように思うんですけどね……」
「私もそう思うなあ。……症例発表でもするつもりなのかな?」
「あっ、そんなところかもしれないです」実は、数日前にわざわざC先生から電話がかかってきて、10月1日の皮膚科受診を再確認をされ、その後で形成外科に立ち寄るように言われたのだ。私のアレルギー検査に関して何らかのデータを欲しがっていることは確か。

勧められてついOKしてしまったけど、実は皮膚パッチテストとは一週間に4回も通院しなくちゃいけないという、とても面倒なものだった。
まず初日の今日は、抜去したエキスパンダーの一部を切り取って薬剤とともに二の腕の内側に貼り、その周りをペンで囲んで印をつけ、その上から大判の粘着透明シートを被せて貼る。ああ、このシート! 嫌な思い出が甦ってきた。エキスパンダー抜去で入院した時、点滴の針を3日間留置するためにこのシートを貼られて酷くかぶれたのだ。このまま48時間放置しておくのだという。いやだなあ、またかぶれたらどうしよう? とりあえず今日はお風呂もダメ、シャワーもテスト部位を絶対濡らさないようにして短時間ですまさなくてはダメ、とのこと。
「極力汗もかかないようにね」まだ汗ばむ日々だというのに、F先生はそんな無情なことを言う。

皮膚科の帰りに形成外科に寄ると、薬剤を貼った部分の撮影をされた。
そして懸念した通り、その日の午後くらいからシートを貼った部分が痒くて痒くてたまらなくなった。シートごしに掻くわけにもいかず、上から撫でさすってごまかすしかなかった。そうやって2日間をじっと耐えた。
翌々日の10月3日に皮膚科に出向いてシートを剥がしてもらった。薬剤とエキスパンダーの欠片を貼った部分にはほとんど反応は出ておらず、その周りがシートの形に四角く赤くかぶれてしまっていた。面の形にぺたーんと赤くなるのではなく、外周に沿って。F先生曰く、刺激性皮膚炎じゃないかということ。シートの接着剤成分にかぶれるのではなく、シートの縁や角などが物理的に刺激になってかぶれるのだと。そういえば、下着のゴムの締め付けなどに弱いかも。細いチェーンネックレスも長時間つけていると首筋がかぶれる。あれは金属アレルギーではなくて、細いチェーンが擦れていたのか!

シートと薬剤と欠片を剥がした後は、洗ったり汗かいたりゴシゴシ拭いたりしないようにして24時間放置しなくてはならない。掻きむしりたい衝動をなんとかやり過ごし、また翌日に皮膚科へ。シートのかぶれ以外には目立った発赤や水泡などの症状は出ていない。
「これはアレルギーは陰性っぽいですねえ」とF先生。
私は初めからそう思ってたけど、でも、とりあえず最終的に結論を出すのは明後日の診察でだ。そして今日も形成外科へ立ち寄らなくてはならない。

S先生はシートに赤くかぶれた部分を見るなり「あっ、反応があったのかな!?」
「いや、これは粘着シートにかぶれて……」
「ここ、ちょっと赤くなってる?」薬剤と欠片を貼った箇所はマーカーで丸く囲ってあるのだが、その中心部が確かにちょっと赤い。
「いや、これは、エキスパンダーの欠片が当たって刺激になってただけで……F先生は多分陰性じゃないか、って」
「……そう?」S先生の口調はどことなくちょっとガッカリした感じで、まるでアレルギー反応が出てほしいみたい……?
今日もパッチテスト部分の撮影をする。
「えーと、最終的に結論出すのはいつだっけ?」
「ホントは一週間後だそうですけど、来週は月曜が休日なんで、明後日の土曜日に」
「じゃあさ、また帰りに寄っていってよ」
「えッ? だって土曜日は外来ない日じゃないですか!」
「でも学会の準備あるんで医局には来てるから。呼んでくれたらすぐ降りてくるから」
「私のためにわざわざ?」
「うん。すぐ降りてくるからね」ふーん。とにかく私のパッチテストの結果が早く知りたいということなのね。

翌々日、皮膚科のF先生により私にはシリコンのアレルギーはないと結論が出された。言われた通りに形成外科に立ち寄り、隣の乳腺外科の受付に頼んでS先生を呼び出してもらった。薄暗い待合室でひとりポツンと待っていたが、S先生が来るまで10分もかからなかった。本当にすぐ降りてきてくれたようだ。今日は外来がないので診察室の中は暗いわ、エアコンは入ってないわ、電子カルテのPCが起動するまで待たなければいけないわで、余計な時間がかかってしまった。アレルギー陰性の報告をして最後の撮影をして、この件に関しては終了となった。原因は不明ながら、とにかく私の身体は異物を受け付けなかった……そういうことだ。

最終的結論はアレルギーではなかったけれど、これだけ詳細に記録をとったということは、やっぱり症例発表されるのかな。とすると、あの赤紫に腫れまくった乳房の写真もセットで発表されるんだな。でもそれは、これから再建をする医師たちにとっても患者たちにとっても大切な情報のひとつとなるのだ。エキスパンダー挿入後に感染症状態になった時、私のような体質の可能性を疑うことができるわけで、それだけ早く手が打てる。私はシリコンでの再建は叶わなかったけれど、こうした経験が誰かの役には立てるのかもしれない。辛い思いをする人がひとりでも少なくなるといいな……

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