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1年めの検診を迎える

皮膚パッチテストの一週間

検診結果は無事クリア

手術に備える3ヶ月間

いよいよ入院

乳房再建のためのデザインを施す

手術まで首を洗って待つのみ

手術──再び辛く長い一夜

なんでこんな手術受けちゃったんだろう……

再建乳房と感動の初対面!

再び苦しむ激痛の夜

入院生活のタイムテーブル

快復停滞の分岐はどこにあるの?

そろそろ退院が視野に入ってきたかな

30日ぶりで外の世界へ

背中の大怪我、続行中

ドレーンを入れての強制排液

「カサブタ剥いじゃおうね」

恐怖の溶解脂肪ダダ漏れ事件

医療従事者と患者との間には温度差がある

傷口が裂けちゃった!

背中の傷に植皮を開始

遺伝性乳癌による予防的乳房切除に思うこと

いっこうに脂肪流出が止まらない

乳癌治療に関するいくつかのニュース

そろそろ心が折れてきた

身体はちゃんと頑張っていたんだね

旅立ってしまった友

サバイバー3年生に──道はまだ続く


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手術に備える3ヶ月間

1年め検診を無事クリアして、これで何の迷いもなく再建手術にのぞむことができる。手術に向けて着々と準備を整えることに邁進しよう。
夏の暑さも手伝って減らした体重はとりあえずキープしている。年齢のせいもあってか体脂肪のダウンは目を見張るようにはいかないのだけど、とりあえずギリギリ20%台までもってきた。
胸の傷跡にもせっせとヒルドイド軟膏を塗り続けている。「綺麗にな〜れ、綺麗にな〜れ」の念も一緒に塗り込めている。毎朝毎晩必ず5ヶ月半も続けているうちに、あれほど硬くてデコボコして赤黒くて汚かった瘢痕鉤縮はどんどん柔らかく色も薄くなってきた。まだ多少色素沈着しているけど普通の肌の色に近くなった。ちょっと皮膚の一部がくちゃくちゃとよじれているけど普通の皮膚の柔らかさに戻ってきた。絶対に絶対に絶対に治りっこないと思っていたのに! 執念か根気か薬効か……。とにかくこの後も手術直前まで塗り込め続けていこう。

11月に入って日々の気温が下がってきたら、時たま縫い目がキリキリ痛むようになった。それでもエキスパンダーが入っていた時の痛みに比べたら、何10分の1でしかない。

手術前2ヶ月になった11月19日にはS先生の診察と術前検査があった。半日がかりになるのを覚悟して朝一番でM病院に行く。最初にS先生の診察を受けて体調をチェック、再建手術を受ける意思も改めて確認された。そうだよね、「やっぱりやめます」という場合だってあるんだろうね。
尿検査と血液検査、肺機能チェックに心電図、胸部レントゲン……院内をあっちに行ったりこっちに行ったり、その都度いちいち待たされる。M病院は大病院というほどではないけれど、それなりの規模の総合病院だから、ひととおりの検査をするにも2時間くらいかかってしまうのは仕方ない。形成外科の外来に戻って再び診察室に呼ばれる。心肺機能も生化学的検査もすべて問題なしで、2ヶ月後の手術は大丈夫だとわかった。

今日のうちに手術の説明も受ける。同時に書いていく手術同意書には、またしても起こりうる合併症がずらずらと連ねられる。次に薬剤部まで出向き、薬剤師に服用中の薬やサプリメントの申請をして中止薬や禁止薬などの指導を受ける。それからまた形成の外来に戻り、ナースから入院にまつわる細々した説明をされ、いろいろな書類を受け取る。最後に入院受付に立ち寄って、入院申込書の提出をして病室の希望を出して、ようやく会計に向かえるのだ。全部終わった時には2時半を回っていた。
次にM病院に来るのは、もう入院の日──手術の前々日なのだ。

その後の2ヶ月間、私はフル回転だった。入院と療養とあわせて2ヶ月間くらいは休業する想定でガンガンに仕事を受注し、粛々と働き続けた。2年ぶりの絵の個展も開いた。その合間を縫ってスポーツジムに通いつめ、筋トレと体重&体脂肪維持にいっそう励んだ。実際に乳房のドナーになる広背筋のトレーニングは特に集中的にラストスパートをかけ、マシンのウエイトも5kg増やした。ストレッチも入念にした。こんなに頑張れるんだ、私。偉いなあ、私。

そして2013年。私が再びおっぱいを取り戻す年が明けた。そう、去年の年明けにも同じことを思ったのよね。2011年の暮れに体内洗浄とエキスパンダー再挿入の手術を受け、新年から再建スタートして夏頃にはシリコンインプラントに入れ替えて完成させるのだと。まさか、その気持ちが数ヶ月で踏みにじられるとは、1年後に自家組織での再建手術を受けることになるとは、あの時は想像だにしなかった。
落ち込んで涙にくれて、ようやく自家組織再建を決めた時、手術日は果てしなく先のような気がしたけれど、過ごしてみれば意外に早く「その日」は来た。
これまでに3回も手術してきたけれど、今回の手術が一番大変な手術。それまではあまり考えないようにしてたけど、2週間を切った頃から「痛いんだろうなあ」とか「またあの辛い一夜を過ごすのか」とか、心が乱れ始めてきていた。

ようやく落ち着いたのは、入院3日前にY先生のクリニックに行った時だった。
「やっぱり直前になると少し怖いっていうか、滅入ってくるっていうか……」などとウジウジしている私に、クリニックのスタッフたちは口々に励まし、活を入れてくれた。
「不安に思うことないでしょ? 今度こそ永久おっぱいを取り戻すんでしょ!」
「S先生はきっとあなたの再建に思い入れがあると思うよ。まかせておけば絶対大丈夫!」
「綺麗に作ってもらって、私たちに見せに来てよ」
そうだよね! 次にここに来るときには、私の右胸には乳房があるんだよね。

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