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1年めの検診を迎える

皮膚パッチテストの一週間

検診結果は無事クリア

手術に備える3ヶ月間

いよいよ入院

乳房再建のためのデザインを施す

手術まで首を洗って待つのみ

手術──再び辛く長い一夜

なんでこんな手術受けちゃったんだろう……

再建乳房と感動の初対面!

再び苦しむ激痛の夜

入院生活のタイムテーブル

快復停滞の分岐はどこにあるの?

そろそろ退院が視野に入ってきたかな

30日ぶりで外の世界へ

背中の大怪我、続行中

ドレーンを入れての強制排液

「カサブタ剥いじゃおうね」

恐怖の溶解脂肪ダダ漏れ事件

医療従事者と患者との間には温度差がある

傷口が裂けちゃった!

背中の傷に植皮を開始

遺伝性乳癌による予防的乳房切除に思うこと

いっこうに脂肪流出が止まらない

乳癌治療に関するいくつかのニュース

そろそろ心が折れてきた

身体はちゃんと頑張っていたんだね

旅立ってしまった友

サバイバー3年生に──道はまだ続く


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再建乳房と感動の初対面!

睡眠剤と痛み止めの服用で細切れながらも眠れて迎えた手術翌々日の朝。窓の外は明るい陽射しが暖かそうで、気持ちがわずかに上向く。昼食後にようやくお小水の管を抜いてもらえ、トイレにもお茶汲みにも売店にも自由に行けるようになった。とりあえず“美味しい”お茶が飲みたい。病院のお茶は激マズなので、ドリップコーヒーやら中国茶やら紅茶やらハーブティーやらいろいろ持参してきたのである。茶葉とカップ片手に廊下に出たものの、手すりにへばりつきながらヨタヨタ進むのがやっとだ。私の病室は奥まった場所にあり、だから落ち着けるのではあるが、給湯マシーンのあるラウンジまでは一番遠い。
2歳児レベルの覚束ない足取りでようやく中間地点まで到達したところで「S先生の診察でーす」と声をかけられた。形成外科の術後は傷の処置が毎日必要なため、病室への回診方式ではなく患者が病棟処置室に呼ばれるのだ。この歩みではカップを置きに病室には戻れないのでそのまま処置室へ入った。

腹帯と筒型腹巻と胸帯と綿で作ったチビ枕2つと大量のガーゼをすべて外す。なるほど、私の身体はこんなにいろいろなもので厳重に保護されていたのか。S先生とT先生、介助のナースの見守る中、おっかなびっくりソロソロと視線を下に向ける。私は初めて再建された乳房を上から見下ろした。あああああっ! 胸が、胸が出来ている! テープでがっちり留めた縫い目には血が滲んでいるけれど、乳房の形をしている! ふたまわりくらい大きめだけど、まだガチガチに硬いけど、左胸と同じ形をしている! デコルテ部分の膨らみもきちんとある! 肌の色だって自然で、赤黒かったり紫色だったりしていない! ついさっきまで「どうしてこんな手術しちゃったんだろう」と半分後悔していたのに、そんな思いをすべて蹴飛ばす勢いで怒濤のように嬉しさが押し寄せてきた。
「うわあ、先生、すごい! 胸があるよお!」口に出すといっそう感激が高まる。
「うーん、いいねえ! 綺麗に出来てますよ」S先生も嬉しそう。
「うわあ……うわあ……」そうっと指で触れてみる。
「いいねえ。お金取って見せてもいいくらいの出来だ」先生、自画自賛。
「えーーっ、誰から幾ら取るっていうんですかあ! 10円とか?」現金なことに、そんな軽口がきけるほどに、私はすっかり舞い上がっていた。

処置を終えた後は、廊下をスキップして病室に帰りたいほどだった。実際は手すりにつかまってヨロヨロしてるんだけど、心はスキップスキップらんらんらん。その日はナースたちスタッフをつかまえては、いちいち感動と感激を報告した。
「さっきまで『どうしてこんな手術受けちゃったんだろう』って後悔してたのに、初めて胸を見たらそんなの全〜部吹き飛んじゃった!」興奮する私に、ナースたちは口を揃えて「みなさんそう言いますよ」と笑う。ようやくこれで療養を頑張っていける気持ちになってきた。

作った乳房にはあまり感覚はないけれど、なにしろ背中から腰にかけての痛みが酷く、体位変換が本当に大変で、よりかかるにも寝そべるにもベストポジションを探すのに難儀する。入院直前に友人からお見舞いに頂いたふわふわのフリース毛布が、柔らかで変幻自在なクッションとして非常に優秀な働きをしている。病院内の気温は結構高く、身体中ガーゼや胸帯や腹帯でぐるぐる巻きのせいもあり、パジャマ1枚でも汗ばむくらい。カーディガンさえさほど出番がないので毛布なんて邪魔でしかないと思っていたが、持ってきてよかった!

まだ身体も満足に動かせないくせに、痛みも酷いくせに、心だけはウキウキ。2日間ご無沙汰したHさんとも報告かたがたお喋りしまくり、電話かけたり、あちこちにメール報告したり。ご飯もモリモリ完食した。
再建乳房との初対面にはしゃぎ過ぎたツケだろうか、その夜とんでもない激痛に苦しむこととなるとは……

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