青系の色 -その1-

青(あお)

 
R16:G109:B181
#106DB5
C96:M47:Y0:K0

加法混色(RGB)の三原色のひとつ。非常に広い範囲を含む色名で、青味を帯びるほど黒い毛色の馬を「あおうま」と呼んだように、黒や白をも指すこともありました。現代では空や海のような色の総称です。なお日本語では緑系の色も「青」と称することが多くありあります。

あを色の淵こそをかしけれ。蔵人などの具にしつべくて」
──枕草子・一七(10世紀後)

藍色(あいいろ)

 
R45:G66:B106
#2D426A
C87:M60:Y18:K35

藍で染めた色。アイはタデ科の一年草で、葉や茎を染料に使います。中古ではトウダイグサ科の多年草ヤマアイの葉を染料にしたようで、現在の藍より緑味が強かったようです。広義では一番淡い「瓶覗」から「浅葱」「縹」「紺」までをも含みます。

あゐより出てあゐよりあをく、水より出てみずより寒し」
──筑波問答(14世紀)

瓶覗(かめのぞき)

 
R192:G224:B225
#C0E0E1
C29:M1:Y13:K0

ごく薄い藍色。藍の瓶にちょっと浸けただけ、というところからきています。覗き色ともいいました。

瓶覗か何かの手拭を真深に冠って」
──滑稽本・七偏人・三・下(1863)

濃藍(こいあい・こあい)

 
R30:G35:B76
#1E234C
C95:M76:Y15:K50

濃い藍色。もっと濃く紫がかったものが紺色となります。インド原産のインドアイで染めた色をインディゴといい、この色に近いです。インディゴは紀元前から染色に使われていて、あらゆる民族の青の基本色となりました。

「松かさねのいうちき〜(略)〜こあひのひとへかさね」
──藻塩草・一八・春冬の絹の色々

薄藍(うすあい)

 
R44:G132:B179
#2C84B3
C83:M28:Y10:K9

藍色の薄いもの。

「着てゐる半纏も腹掛も紺の色が悉く褪めて陸軍の囚徒の着る着物のやうに薄藍色になって」
──森鴎外 灰燼(1912)

藍白(あいじろ)

 
R228:G248:B248
#E4F8F8
C11:M0:Y4:K0

藍染行程での最も初期の過程で得られるごくごく薄い藍色。瓶覗色よりもっと浅い色です。「白殺し」ともいいます。

紺色(こんいろ)

 
R27:G20:B58
#1B143A
C100:M90Y30:K53

藍染めの最も濃い色。もともとは藍染めの専門業を紺屋といいましたが、広く染め屋さんを紺屋と呼ぶようになったそうです。そのくらい日本人にとってポピュラーな染色だったのですね。

「お種はの深張の日傘をお鈴に渡しながら」
──尾崎紅葉 多情多恨(1896)

「百舌啼けばの腹掛新しきわかき大工も涙流しぬ」
──北原白秋 桐の花 秋思五章・百舌の高音(1913)

群青(ぐんじょう)

 
R0:G38:B139
#00268B
C100:M85:Y11:K4

藍銅鉱から採った鉱物顔料の色。英名はultramarine(ウルトラマリン)です。日本画の顔料には天然の岩絵具を使います。

「私はたびたび保津川を窓外に見た。それは化学の実験で使ふ硫酸銅のやうな、くどいほどの群青いろをしてゐた」
──三島由紀夫 金閣寺(1956)

紺青(こんじょう)

 
R51:G41:B132
#332984
C100:M89:Y4:K1

群青と同じく藍銅鉱から採った鉱物顔料の色で紺色寄りの色。一般的に海の色のような濃い青色をさします。

「隈なく晴れ上がった紺青の冬の空の下に」
──長与善郎 青銅の基督(1923)

淡群青(うすぐんじょう)

 
R105:G128:B188
#6980BC
C69:M43:Y0:K1

群青の顔料の粒子を細かくして白っぽくした青。さらに細かく白くすると「白群」となります。

白群(びゃくぐん)

 
R180:G192:B222
#B4C0DE
C35:M18:Y2:K1

群青の顔料の粒子をさらに細かくした白っぽい青。

秘色(ひそく)

 
R144:G196:B208
#90C4D0
C49:M6:Y17:K1

明るい灰がかった青。中国の越の国産の青磁の器を、唐の時代、天子への供物としたため臣下や庶民の使用を禁じたところからついた名と言われます。染色では瑠璃色のことを言うようですが、この器との関連は不明です。

「からあや しろあを やなぎさくら ひそく
──満佐須計装束抄・三(12世紀頃)

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