緑色・翠色(みどりいろ)
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R0:G140:B56 |
#008C38 |
C80:M19:Y96:K8 |
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加法混色(RGB)の三原色のひとつ。草木の葉のような色の総称。大和・奈良時代から乳幼児を「みどりご」と言ったように、生まれたばかりの新しいものを「みどり」と称しました。また、黒く艶のある意味も持ち、「緑の黒髪」のような言い方もしました。
「春は萌え夏は緑に紅の綵色(まだら)に見ゆる秋の山かも」
──万葉集・一〇・二一七七(平安初期)
「翠の髪を剃下し」
──太平記・二〇・義貞首懸獄門事(14世紀頃)
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浅緑(あさみどり)
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R159:G210:B172 |
#9FD2AC |
C42:M0:Y42:K0 |
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薄い緑色。糸、野辺、靄などの枕詞として用いられます。
「又服制。〜(略)〜務冠四階浅緑」
──続日本紀(797)
「あさみどりの薄様(うすやう)なる文の、押し巻きたる端みゆるを」
──源氏物語・若菜・下(11世紀初)
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深緑(ふかみどり)
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R0:G73:B11 |
#00490B
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C71:M30:Y84:K56 |
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深く濃い緑色。英語でのdeep green(ディープグリーン)に相当します。viridian(ヴィリジャン)という色が絵の具にあり、この色も深緑の範囲ですが、かなり透明度の高い色となります。
「松原のふかみどりなるに、花もみぢをこき散らしたると見ゆるうへのきぬのこきうすき、数知らず」
──源氏物語・澪標(11世紀初)
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若緑(わかみどり)
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R121:G198:B135 |
#79C687 |
C55:M0:Y62:K0 |
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明るくみずみずしい緑色。「みどり」にはもともと「若い、新しい」という意味があるので、より強調した新鮮な感じの色をいいます。特に松の若葉の色をいうことが多いようです。
「わかみどりふた葉に見ゆる姫松の嵐吹きたつよをも見てしが」
──宇津保・蔵開上(10世紀頃)
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老緑(おいみどり)
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R71:G68:B56 |
#474438 |
C55:M48:Y58:K54 |
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彩度の低い灰味がかった緑色。若緑と対照してつけられた名前です。明るく鮮やかな形容に「若」を、鈍い暗い形容に「老」の字をつけますが、これは緑系の色に限られていました。
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暗緑色(あんりょくしょく)
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R0:G56:B8 |
#003808 |
C66:M36:Y71:K70 |
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深く暗い緑色。
「さやぎつつ鴉(からす)のむれのかくろへる暗緑の森をわれは見て立つ」
──斎藤茂吉 あらたま・暗緑林(1921)
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常盤緑(ときわみどり)
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R20:G129:B64 |
#148140 |
C80:M22:Y89:K15
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常盤樹の葉の色。一年中、葉の緑色が変わらないところから「永久に変わらない」という代名詞にもなっています。英語でもever green(エヴァーグリーン)。榊にしろ、ヒイラギにしろ、洋の東西を問わず神事に常緑は欠かせないのですね。
「ときはなる松のみどりも春くれば今ひとしほの色まさりけり」
──古今和歌集・春上・二四(905)
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千歳緑(せんざいみどり)
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R1:G61:B14
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#013D0E
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C69:M34:Y75:K66
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常盤緑と同じ常緑の樹の色。古木のもっと暗い緑色です。
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青竹色(あおたけいろ)
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R9:G145:B130
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#099182
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C83:M17:Y54:K7
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青竹の色。色名に竹をつけるのは、黄緑系の草木の緑と区別して、それより青みの緑をいう場合に多いです。実際の竹よりも青みが強調されています。
「ホーゲーと焼かれたるまま岩山は青竹いろの夏となりけり」
──宮沢賢治歌稿(1909)
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若竹色(わかたけいろ)
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R96:G195:B163
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#60C3A3 |
C62:M0:Y47:K0 |
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青竹よりもさらに若々しい竹の色。
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老竹色(おいたけいろ)
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R116:G120:B107 |
#74786B |
C50:M36:Y48:K24 |
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彩度の低い灰がかった緑色。緑系の色の色名にはよく「若」「老」が使われますね。
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草色(くさいろ)
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R113:G121:B78 |
#71794E |
C47:M32:Y69:K28 |
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草の色のような濃い貴緑。ちなみに「草青む」は春の季語ですが、「草の色」は紅葉した草の色のことで秋の季語となります。
「草色の紐つけし小紋縮緬の被布を着たり」
──徳富蘆花 不如帰(1899)
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若草色(わかくさいろ)
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R125:G194:B16 |
#7DC210 |
C49:M4:Y100:K0 |
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芽を出して間もない草の色。古来、若草は、柔らかい瑞々しい新鮮なものととらえられています。「若草の」は「妻」「新枕」などの枕詞でした。
「若草色の夕あかり濡れにぞ濡るる」
──北原白秋 邪宗門(1909)
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若葉色(わかばいろ)
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R150:G199:B110 |
#96C76E |
C44:M4:Y71:K1 |
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生え出て間もない草木の葉の色。日本人は、若葉の色に自然の恵みや神の恩寵を感じます。この感情は、北半球の北回帰線以北に暮らす人々共通のものです。常夏の国の住民には、緑色に対して特別な感情はないそう…。冬枯れののち、緑の再生を知る人間だけが、若葉の輝きを尊く思うのです。
「あらたふと青葉若葉の日の光」
──松尾芭蕉 奥の細道
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