赤系の色 -その2-

紅梅色(こうばいいろ)

 
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#DA5A6B
C8:M77:Y42:K1

梅の花の紅色。平安時代、紅梅色は早春の着物の色でした。平安時代の襲ね(かさね)で紅梅がさねは表紅梅色、裏蘇枋、とあります。

「御返しこうばいの薄様に書かせ給ふが、御衣の同じ色ににほひ通ひたる」
──枕草子二七八(10世紀後)

薄紅梅(うすこうばい)

 
R233:G150:B155
#E9969B
C5:M52:Y23:K1

薄紅梅(紅梅の、花の色が薄いもの)の花の色。

「みやにはじめてまゐりたるころ さし出でさせ給へる御手のはつかに見ゆるが、いみじうにほいたるうすこうばいなるは、かぎりなくめでたしと」
──枕草子一八四(10世紀後)

薄色(うすいろ)

 
R252:G224:B217
#FCE0D9
C1:M16:Y10:K0

紅花で染めた薄い色。普通は薄色とは薄い紫色のことですが、時にこの色のこともいうこともありました。

一斤染(いっこんぞめ)

 
R253:G231:B225
#FDE7E1
C0:13M:Y8:K0

紅花一斤で絹一疋を染めた、淡い紅染め。桜色より若干黄味を帯びた色です。襲ねの色目にも古くからある色です。

「今日宇治一切経会也、〜(略)〜右衛門権佐光長茶染一斤染烏帽子」
──山塊記(12世紀後)

桜色(さくらいろ)

 
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#FDE2E2
C0:M16:Y5:K5

桜の花の色。ほんのり赤味を帯びた顔や肌の色の形容などにも使います。

さくら色に衣はふかくそめてきん花のちりなん後のかたみに」
──古今和歌集・春上六六(905)

鴇色(ときいろ)

 
R245:G142:B131
#F58E83
C0:M56:Y38:K0

トキ(鴇・朱鷺)の風切羽や尾羽の色。古来の色名には動物の名前からとったものはありません。身近な動物からの色名が使われはじめたのは江戸時代頃からです。

「帯上はアレハ時色縮緬、統括めて云へばまづ上品なこしらへ」
──二葉亭四迷 浮雲(1887)

「寝起に蒼過ぎた頬も 鴇色に匂ってゐる」
──森鴎外 半日(1909)

石竹色(せきちくいろ)

 
R236:G150::B165
#EC95A5
C4:M53:Y15:K0

ナデシコ科のセキチクの花の色。英名での「ピンク」の定義はナデシコ科ナデシコ属植物の総称で、この種類の花の色をいいます。「桃色」と混同されますが、語源は別です。

「丸形の石竹色のホールランプの下に睦まじく食後の茶を喫んでゐた」
──内田魯庵 社会百面相(1902)

牡丹色(ぼたんいろ)

 
R211:G66:B144

#D34290

C13:M84:Y0:K0

ボタンの花のような鮮やかな赤紫。明治後期、輸入された化学染料を使った染色品はさぞ華やかに感じられたでしょうね。

「紺色の可憐な燕の雛が懐かしさうに、牡丹いろの頬をちらりと巣の外に見せて」
──北原白秋 思ひ出・わが生ひたち(1911)

躑躅色(つつじいろ)

 

R239:G48:B124

#EF307C

C0:M87:Y17:K0

ツツジの花のような鮮やかな紫みの赤。このような彩度の色は昔は存在しなかったでしょうが、躑躅重ねの配色は表が紅梅、裏が青(緑)対照的な補色です。

玖瑰色(まいかいいろ)

 

R197:G38:B104

#C52668

C16:M92:Y29:K4

はまなす色。ハマナスの花のような色。明治初期に文部省が刊行した色図にはこの名前が当てられていました。玖瑰とは、ハマナスから取った染料の色です。

苺色(いちごいろ)

 
R199:G36:B57
#C72439
C13:M95:Y79:K3

熟したイチゴの実の色。英語でのstrawberry red(ストロベリーレッド)はもう少し赤みの濃い色を指します。

「その頸は横転逆転し切り口の苺色がみえたり眼玉がとびだしたり暗くなったり」
──草野心平 蛙・祈りの歌(1938)

撫子色(なでしこいろ)

 
R247:G138:B157
#F78A9D
C0:M57:Y18:K0

ナデシコの花のような薄い赤紫。

「表紙さまざまにかざりたり。打敷、なでしこのふせんれうに卯花を縫たりけり」
──古今著聞集・十一・三九三(1254)

桃色(ももいろ)

 
R244:G120:B130
#F47882
C0:M64:Y33:K0

桃の花の色。桃花色ともいいます。今では性的な色事のイメージにも使われてしまっていますが、古くからあった色名です。セクシーなイメージの色としては、ピンクと混同されていますが、英語のピンクは幸福や健康を象徴する健全な色です。

「帷子は広袖に桃色のうら付を取出せ」
──浮世草子・好色五人女(1686)

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