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赤系の色 -その4-
海老色・蝦色・葡萄色(えびいろ)
暗い赤茶。エビカズラ(葡萄葛)の熟した実の色のことをいいました。エビカズラとはブドウ科植物の古名です。ヤマブドウの実の色などが近いでしょうか。 近代になって伊勢海老の色にちなんで色名が混同されるようになったようです。
「敷物も壁も黒みがかった海老色を用ひ」 ──永井荷風 あめりか物語(1908)
「古は葡萄色をゑびいろと訓ず、紫に近き色也」 ──随筆・守貞漫稿・一五(1854)
葡萄染(えびぞめ)
エビカズラの実で染めた色。
「二藍(ふたあゐ)えびぞめなどのさいでの、おしへされて草子の中などに、ありける見つけたる」 ──枕草子・三〇・すぎにしかた恋しきもの(10世紀後)
海老茶・蝦茶・葡萄茶(えびちゃ)
暗い赤味の茶色。明治30年代、が女子学生や教員が、この色の袴を身につけるようになりました。この頃の女学生のことを葡萄茶式部などとも呼んだこともあります。
「蝦茶色の仏蘭西織のカーテン」 ──国木田独歩 別天地・上・三(1903)
「デートン色の自転車に海老茶色の袴、髪は結流(ゆひなが)にして、白いリボン清く」 ──小杉天外 魔風恋風(1903)
灰赤(はいあか)
灰色がかった赤。
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