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イタリア Italy -part2-
Trieste - トリエステ
アドリア海沿いの隣国スロヴェニアとの国境沿いに位置する港町。 多くの民族や国家の支配を受けてきていた町は、特にハプスブルクの支配が長かったため、 随所に "東側の国の香り" がする一風変わった雰囲気のイタリア。
宵闇迫る大運河 (232×153mm) トリエステのイメージ写真でよく使われるのが、このカナル・グランデ(大運河)。カナル・グランデといえばヴェネツィアで、その知名度と規模は比べ物にはならないけれど、これはこれでとても美しいです。晴れた日に青い空が映り込んだ運河も素敵だけど、空にまだうっすらと青みの残る宵の口の風景を描いてみました。運河沿いのカフェもレストランも食事やお酒を楽しむ人たちで大賑わいです。
Padova - パドヴァ
古来から文化と経済の中心であり、イタリアで2番目に古い大学を持ち、 聖地として信者が巡礼に訪れる、商業・学業・信仰の豊かなパドヴァ。 水の都ヴェネツィアから近すぎるせいで観光地としてはあまり目立たないけれど 町には歴史と活気があり、柱廊の連なる趣のある旧市街の見どころはとても豊富だ。
シニョーリ広場の時計塔 (147×230mm) パドヴァのシニョーリア広場にはかつてのヴェネツィア共和国総督の官邸があります。15世紀の天文時計の時計塔前には、ヴェネツィア共和国のシンボルである有翼のライオン像。日没の遅い初夏の夕刻時、広場に面したバールやエノテカがびっしりとテーブルを並べ、アペリティーボを楽しむ人たちでいっぱいになります。私もここでキリリと冷えたヴェネトの白ワインを一杯いただきました。
ポルティコの連なる道(212×146mm) パドヴァのサン・フランチェスコ通りは狭いけれど小粋で洒落たポルティコの連なる道です。この「瀟洒で上品だけど高飛車ではない」という空気は、パドヴァの街全体で感じられました。町の人の物腰や服装なんかも含めて。大学のある町だからか、本屋さんも多く目につきました。すれ違うのはパドヴァ大学の学生らしき若い人たち。講義を終えて昼休憩なのか、あるいは学校に戻るのか……。
Bassano del Grappa - バッサーノ・デル・グラッパ
ヴェネト州の山懐に抱かれた風光明媚な古都バッサーノ・デル・グラッパ。 この小さな町を有名にしているのは、パッラーディオ設計の屋根付き木橋、 蒸留酒グラッパの名産地、イタリアで唯一D.O.Pに指定されているホワイトアスパラガス……
旧市街のパン屋さん(256×202mm) 木橋や白アスパラ以外にも、中世の趣を残す旧市街もとても味わい深いものでした。旧市街の広場の一画にある可愛らしいパン屋さんも心惹かれた光景です。建物上部には剥落しかけているけどフレスコ画が残っています。私はオリーブ入りのフォカッチャとアスパラのピッツァのパンを買って帰りました。
朝市のチーズ屋さん(214×143mm) 旧市街の城壁をくぐった先は、朝市の混沌でした。ふたつの大きな広場と広場どうしをつなぐ道とその周辺に露店のテントがびっしり。売ってる品々はどれも生活感あふれるものばかりの地元民のためのマーケットでした。牛柄のクロスと牛や豚の人形のディスプレイがとても可愛いチーズ屋さんはその中のひとつ。
午後のリベルタ広場(205×205mm) 旧市街のリベルタ広場を囲む建物たちはしっとりと美しい姿をしています。午前中には朝市の猥雑なほどの賑わい、昼過ぎには露店撤収のバタバタ、入れ替わりにカフェやバールのスタッフたちがテーブルを運んでテラス席スペースを拡大、夕方には人通りも少ない穏やかで優しい空気感。同じ場所の風景が時間帯でまるで違う表情を見せてくれるのが面白いです。ピンポイントで慌ただしく移動する旅では決して味わえない、非効率な個人旅ならではの醍醐味ですね。
Marostica - マロースティカ
バッサーノ・デル・グラッパとヴィチェンツァの間にある小さな小さな町マロースティカ。 山上の城と下の城があり、斜面ごとぐるりと囲まれた城壁や門がまるごと残る。
城壁と上下の城とチェスの町 (145×210mm) 中世の装束で行う人間チェスのお祭りが有名で、山間の小さな町には不釣り合いなほどの突き抜けた空間の広場はチェスの盤面の市松になっています。やっぱりというか、もっともというか、人間将棋の山形天童市とは姉妹都市関係なのでした。ここはチェリーの名産地でもあって、それも山形県とは共通しています。コンパクトで可愛らしい雰囲気を強調したくて、若干ポップな色彩で描いてみました。
Bologna - ボローニャ
アペニン山脈とポー川の間に位置するエミリア・ロマーニャ州の州都。 西欧最古の大学のある歴史的な学芸都市であるとともに 数々の国際見本市が絶えず開催される新しく躍動的な街でもある。
ポルティコのある広場(320×220mm) 定番スポットのボローニャ大学でもなく、斜塔でもなく、大聖堂でもなく、ちょっとひねくれてS.ステファノ広場を題材に選びました。赤い町、ポルティコの町、どことなくフランス的な小粋さのある赤いシェードなどなど、個人的にはかなりボローニャらしさが描けたなあと思っているのですが。
ネットゥーノの泉とボローニャ市庁舎 (146×214mm) ネットゥーノ(ネプチューン)の噴水はイタリア中あちこちの街にありますが、ほとんどが白っぽい大理石のもので、優美な雰囲気があります。ボローニャのネットゥーノは黒っぽいブロンズ製なせいもあるのか、なんかマッチョで精悍でイケメンな感じがしました。感想そこかよ、っていう……
Ravenna - ラヴェンナ
ア5世紀から8世紀に歴史の中心となる首都でもあった古都。 8世紀末に歴史の中心から離れたことで大きな破壊を免れた結果、 初期キリスト教モザイク画がやビザンチン建築が豊富に残ることになった。
朝のサン・ヴィターレ聖堂 (215×145mm) モザイクで有名なラヴェンナは、街並じたいはあまり特徴のない「普通のイタリアの町」でした。艶やかできらびやかなビザンチンモザイク装飾が内部にあふれているとはとても想像できないほどに、教会の外観は地味です。モザイク教会群の筆頭にあたるサン・ヴィターレ聖堂の裏手を出勤途中のご婦人が自転車で走り抜けていきました。パンプスにスカートで石畳を疾走するのは難しそう……
Ancona - アンコーナ
イタリア中部のアドリア海に面した港湾都市アンコーナは、 古代ギリシア人によって築かれた都市に起源を持ち、中世には海洋共和国として繁栄した。 観光地としてはちょっとマイナーだが、ギリシャやクロアチアへの船のフェリーの寄港地になっている。
夕暮れの出航(316×176mm) クロアチアのスプリットまで11時間かけてアドリア海をフェリーで渡りました。出航時刻と日没時刻がちょうどリンクして、赤く染まったアンコーナの町と港、海上での日没ショーとを堪能しました。小高い丘のてっぺんからはサン・チリアコ大聖堂が町と海とを見下ろしています。
Civita di Bagnoregio - チヴィタ・ディ・バーニョレージョ
日本でもここ数年の間に人気のあがってきた小さな小さな分離集落。 『il paese che muore(死にゆく町)』という悲しい名称を持つ、見捨てられ廃墟になっていく過程にある町。 地震と浸食によってかろうじて残った町の高台部分を繋ぐのは、深い谷を跨ぐ橋だけの文字通りの陸の孤島。
天空の村(313×221mm) 死にゆく町、滅びゆく村は数多くあるけれど、その言葉の持つ切なさをよりドラマチックに際立たせているのは、この村のビジュアルによるところが大きいと思います。 実は同じアングルで5枚描きました。緑と青空の明るさと、どこか荒涼とした索漠さと、そういうものがうまく出せなくて……。5枚目で終わりにしたのは、納得したというより「もうムリ! いいや、これが限界、やめやめ!」といういうわけです。
初夏の陽光(147×214mm) とりたてて特徴のない小さな田舎町のバーニョレージョ中心部から町外れまで1.5km、さらに300m以上の長い橋を渡って谷を跨ぎ越して、ようやく天空の町の入口に辿り着きます。昼間のチヴィタ・ディ・バーニョレージョは、「死にゆく」という形容詞にはそぐわない、多くの人の集まる明るい観光地でした。
昼下がりのお店番(143×215mm) バーニョレージョの生活圏の路地の小さな八百屋さん。シエスタの時間帯、一応店を開けてはいるものの、やる気のないことはなはだしいです。ヘンな顔の猫が描きたかったのですが、思っていた方向とは違うヘンな顔になってしまいました。
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