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イタリア Italy -part7-
Palermo - パレルモ
シチリア最大の都市であり、イタリアでも5番目に大きいという州都は 西洋とアラブの地中海文化が融合したイタリアであってイタリアらしくなさ、 さらには過去の栄華と貧困とも共存する、そんなカオスな雰囲気が最大の魅力だ。
曇天のクアットロ・カンティ(256×197mm) パレルモ旧市街のど真ん中、2つの大通りの交わるクアットロ・カンティは、四隅に同じ形のバロック装飾の建物の配置されたとても美しい交差点であり広場でもあります。交差点の中心から東南の方向を見上げると、聖カタリーナ・アレクサンドリア教会の陶製のクーポラが顔を覗かせていました。 青く高く晴れ渡った空ではなく、あえて少し不穏な曇天にして描いてみました。シチリアは底抜けた明るさと明るさ故の深い翳りが同居している場所のように思えるからです。
Monreale - モンレアーレ
標高310mの山の中腹にある町からは、パレルモの町と海を見下ろす眺めが素晴らしい。 ノルマン時代の王が築いた大聖堂と修道院を中心に形成された町は、 そのものズバリの "王の山" の名を持つ。
アラブの香りの大聖堂 (215×317mm) パレルモ近郊の小高い山の上にあるモンレアーレには、とても小さな町ながらとても立派な大聖堂があります。内部はそれは見事なモザイクで覆われているのですが、外観もとても個性的。路地のすき間に垣間見える大聖堂の後ろ姿にはノルマン風の装飾が施されていて、エキゾチックな雰囲気満載です。
Cefalu - チェファルー
パレルモから電車で1時間足らずの中世の面影を残す町には、 世界遺産の大聖堂と特徴的な岩山と美しい海があり、手近で庶民的なリゾート地。 映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の野外映画会のシーンのロケ地でもある。
晩秋──暮色に染まる海(314×220mm) 海岸線に沿って広がる町と双塔の大聖堂、背後に聳える石頭のような岩山というチェファルーならではの光景。夏には海水浴の人たちで埋め尽くされるという砂浜も11月半ばの夕刻には散歩する犬と人の姿しかありませんでした。
Santo Stefano di camstra - サント・ステファーノ・ディ・カマストラ
シチリアでの陶器の町と言えばカルタジローネとこの町なのだとか。 海に面した無人駅で降り、急勾配の坂道を登ると、台地の上にある小さな町に着く。
陶器の町の椰子の木通り(259×197mm) 町を貫く通りを突き抜けると、パームツリーの並ぶその名も "椰子の木通り"。のんびり風に吹かれながら海と空と台地の見渡せる気持ちのいい展望散歩道になっています。手すりに鮮やかなタイル装飾が施されているのは陶器の町ならでは。
Catania - カターニア
ヨーロッパ最大の活火山エトナ山のお膝元、 溶岩の上に築かれたカターニアはパレルモに続くシチリア第二の都市。 何度も噴火や地震の被害に遭いながらも、そのたびに逞しく甦ってきた。
アガタに捧げる聖堂(263×204mm) カターニアの町の守護聖人・聖アガタは、乳房を切り取られるという拷問にも屈しなかったというエピソードから、今では乳がん患者さんたちの守護聖人でもあ るといいます。エトナ山のの溶岩とシラクーサの石灰岩とで作られた黒と白のエレガントなバロックの大聖堂は、町の人々の心の拠り所なのでしょう。
旅のテーブル ─ドゥオモ広場でアランチーノ (93×138mm) シチリアB級フードの代表選手アランチーノはいわゆるライスコロッケです。レストランの前菜で出ることもあるけれど、基本は小腹満たしに気軽にパクつくもの。ドゥオモを望むバールのテラスでビールと一緒に小休止です。
夜明け──冠雪のエトナ山を望む (150×219mm) ヨーロッパ最大の現役活火山であるエトナ山は日本の富士山にとてもよく似ています。高さも同じくらい、広大な裾野を持つ姿も、冬には頭に雪帽子を冠る姿も、どちらも2013年に世界遺産に登録されました。 絵描きの心理としては、バロックの美しい町並や教会のクーポラと雪化粧したエトナ山をセットで見たいと思うのは当然のこと。実際は天気や角度や時間帯が合わなくてこのようには見えませんでしたけど、こんなふうに見たかったなあという願望で描きました。
Piazza Armerina - ピアッツァ・アルメリーナ
シチリア内陸部の牧草地と森林に囲まれた丘の上の町。 ローマ時代のモザイクが残るカサーレ荘が町の郊外にあることが、 この小さな町の名を有名にしている。
ピアッツァ・アルメリーナ遠望 (203×260mm) 世界遺産のモザイクの別荘があまりにも有名でありながら、アクセスが不便なこともあって、ツアーを利用してそこだけに行く人たちがほとんど。小高い丘の上に重層的に積みあがる旧市街は、大聖堂の青い陶器のドームを頂点にしていて、正面の丘からの遠望も、入り組んだ小径の散策も、趣たっぷり。素通りしてしまうのはもったいない。
Caltanissetta - カルタニセッタ
日本ではほとんど無名のシチリア内陸部の静かな町は、 かつては交通の要衝であり、硫黄の採掘でも栄えた町だったという。
聖セバスティアーノ教会と ネプチューンの泉 (153×226mm) 今は静かな町ながらも過去に栄えた名残りはそこここにあって、中心部の広場にはネプチューンを噴水をはさんでバロックの教会が向かい合わせて建っていました。訪れたのは11月下旬、噴水は渇水してましたが、水を満たして描いてみたら、なんだか夏の風景のようになりました。
Caltagirone - カルタジローネ
シチリア島にたくさん点在する魅力的な町のひとつである陶器の街は 世界遺産「ヴァル・ディ・ノート後期バロック様式の8つの町」のうちのひとつでもある。 いたるところに施されているマジョルカ焼きの装飾は、旅人の目を楽しませてくれる。
A Day─ある日常(316×216mm) 小さな田舎町のとりたてて特徴もないありふれた民家がモチーフですが、何人か住人を描き入れてみました。こちらは異邦人の目で見ますが、そこに暮らす人たちにとってはありふれた日常のひとコマなんですよね。
暮色(228×313mm) サンタ・マリア・モンテの大階段中腹に腰掛けて、暮れなずんでゆく街並を飽かずに眺めていました。旅の最終日の感傷もいくぶん加味され作品になりました。
陶器の大階段(148×215mm) 「ラ・スカラ」と呼ばれるサンタ・マリア・モンテの大階段はカルタジローネで一番の見どころです。丘の上の教会と下の町を繋ぐ目的で作られた 142段の大階段は、垂直部分にすべて違うデザインのマジョルカ焼きタイルが貼られています。二泊したB&B前の小さな路地から眺めると、朝一番 の人けのない階段風景が独り占めです。
旅のテーブル─カンノーロとジェラート (138×93mm) スクエアに切った生地を円筒に巻いて筒状にサックリと揚げ、リコッタクリームをたっぷりと詰めたカンノーロはシチリアの代表的なお菓子です。ジェラートをブリオッシュにはさむのも、シチリアの朝ごはんの定番なんだとか。
Noto - ノート
やはり、世界遺産「ヴァル・ディ・ノート後期バロック様式の8つの町」のうちのひとつ。 1693年、シチリアを襲った大地震で崩壊した町は、新たな地に場所を移して再建された。
コンパクト・バロックシティ・ノート(319×128mm) 当時流行のバロック様式で統一して築かれたノートの町は、中心のメインストリート沿いに主要な宮殿や教会や修道院が集まっていて、この町が「石の 庭園」と呼ばれる理由も納得です。淡いハチミツ色のバロック建造物は青い空に映え、夕暮れ時にはほんのりバラ色に染まってとても魅力的です。
Scicli - シクリ
3つの丘に囲まれた平地に広がる小さな町は、一方が海に向かって開けていて、 一面に広がる褐色の屋根瓦のあちこちに壮麗なバロック教会がいくつも顔を見せている。 ここも、世界遺産「ヴァル・ディ・ノート後期バロック様式の8つの町」のうちのひとつ。
丘上の廃墟の教会(207×207mm) 毎日、町の広場やベンチにただただ集まる「爺さん軍団」は南イタリアの名物のひとつと言えるかもしれません。そんな彼らを、サン・マッテオの丘の上の現在は廃墟になってしまった教会が静かに見下ろしています。
Modica - モディカ
この町も世界遺産「ヴァル・ディ・ノート後期バロック様式の8つの町」のうちのひとつ。 急流で削り取られた峡谷にまたがって重層的に広がった町は 高台の町「モディカ・アルタ」と低い町「モディカ・バッサ」に分かれる。
丘の街の猫たち(320×225mm) メインストリートをはさんだ対岸の街には大きな教会や貴族のパラッツォはなく、基本的に民家ばかりです。洗濯物の翻る路地を抜け、玄関先に佇むお婆ちゃんに微笑みかけられ、たまり場に集まる猫たちに睨まれ、庭先の犬に吠えかけられ、急斜面に設えられたつづら折りの階段路地をひたすらひたすら登っていきました。
高台のサン・ジョルジョ教会 (144×214mm) モディカ・アルタの大聖堂サン・ジョルジョ教会は、せり出すようなファサードと劇場のセットのような大階段を持っている舞台装置的な造りをしています。対面の丘の中腹から向き合うと、さらにその効果は倍増します。この作品は墨で筆描きした上にところどころ色を載せるという手法を試みてみました。
Siracusa - シラクーサ
ギリシャ時代、アテネ同様に栄えたシチリアの古都。 本土側の新市街にはギリシャ・ローマ時代の遺跡が残る考古学公園が、 オルティージャ島の旧市街にはバロック建築の美しい教会や宮殿が立ち並ぶ。
雨の夜のドゥオモ広場 (148×208mm) 美しいバロック様式のドゥオモ広場は、普段なら昼も夜もたくさんの人を集める場所のはず。2月の冷たい雨の夜、ライトアップされた壮麗な建物が真っ白に浮かび上がり、磨かれたようにつるつるな白い敷石は雨に濡れて、映る灯りが艶々としていました。こんな綺麗な光景をわずか数人で独占状態。
雨上がり(214×142mm) オルティージャ島の先端部のマニアーチェ城の見晴し台からは、街の東側の連なりと真っ青なイオニア海とが望めます。雨上がりの空と雲はとてもドラマチック。
エノテカのウィンドウ (147×215mm) 迷宮のような路地を彷徨い歩いていて、ふと出逢った小さなエノテカのウィンドウ。
オルティージャ島の朝市 (212×147mm) オルティージャ島の朝市は、アポロ神殿の横道に日曜日以外の毎朝立ちます。威勢のよいかけ声の魚屋さん、色とりどりの新鮮な野菜をてんこ盛りにし た八百屋さん、衣類やアクセサリーの屋台、ハムやチーズや惣菜の店……。200mほどの小道はたくさんの地元のお客さんや観光客で大賑わいです。
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