Le moineau 番外編

昨日の疲れがこの後の行程に尾を引いては困るので、今朝はゆっくりめに起きた。朝の散歩もなし。
3つ星ホテルの朝食はシンプル。パンを2〜3個持った籠とジャム類をいくつか、オレンジジュースとコーヒーのみ。少し喉が痛む気がしたのでハチミツの小袋を余分にいただいた。

今日は船でカプリ島を日帰りする。船の時刻は調べておいた。9月半ばまではじゃんじゃん本数があるが、この時期の往路は9:00、9:30、10:30と3本あるのみ。

9:00の便に乗れるかなーと、港に向かったが、切符売場には長蛇の列。昨日のうちに買っておけばよかった、9:30のにしよう。2人の職員はフル稼動で応対している。そのうち1人が苛立ったように「小額紙幣! 小額紙幣を用意してくれぇ!!!」と叫ぶ。列の人々がいっせいにポケットや財布をごそごそ…
往復切符を買った。帰りの船は16:45。今日は高速ジェットフォイル船。クソ暑いデッキ席は避けて涼しい1階席から昨日と逆方向に進む海岸線を楽しむ。風景の流れるスピードがずっと早い。途中ポジターノを経由して50分ほどでカプリに到着。

6時間ちょっとのカプリ滞在、楽しむぞぉ。

カプリの港・マリーナグランデ近くになると、船が何艘も同じ方向に向かっている。じゃんじゃんヒトがやって来るんだ…さすが人気のあるリゾートだわ。埠頭の大きさもアマルフィやポジターノのそれとは桁違いに大きい。

青の洞窟へ向かう船の切符売場には行列が渦を巻いている。その近くから客を満載した洞窟行きの船が次々と出ていく。ちょっとでも波が高いと入れない洞窟だが、今日はOKなのね。でも、私達は行かないつもり。昨日エメラルドの洞窟を見て充分感動したし、どれだけ待たされるかわからないものに時間とお金使うより、青の洞窟だけじゃないカプリの魅力を味わいたかったから。だって6時間しかないんだもの。

港近くのインフォメーションでマップを貰う。有料(¥200ほど)だったが、2部構成の大判で詳しく、推奨ルートや綺麗な写真もたくさん載っている。港を臨むバールのテラス席でカプチーノをオーダーし、地図を見てじっくりと本日の行程を検討する。コーヒーの値段はアマルフィやポジターノよりだいぶ高かった。有名観光地値段ってことね。

カプリ島は谷をはさんでカプリ地区とアナカプリ地区とに分かれる。まずはケーブルカーでカプリ地区へ。眼下にぐんぐんと青い海が拡がっていく。今日は一番の晴天のようだ。ワクワクする。ケーブルカーの終点はカプリ地区の中心・ウンベルト1世広場P.za Umberto。港を見下ろす展望台にはヒトが群がっていた。

ヒトで溢れるウンベルト1世広場

アウグスト公園から。絶景かな、絶景かな

目抜き通りを歩く。人々の服装はくだけていてもブランド店がズラリと並ぶのは、高級リゾートならでは。しかし、ヒトが多い。休日の原宿か、夏の軽井沢のよう。日本の団体ツアーは青の洞窟へ直行してしまったのか、ほとんど見かけない。
サン・ジャコモ修道院Certosa de S.Giacomoと、見晴らしのよいアウグスト公園Giardini di Augustoに向かうことにした。曲がりくねった小道をのんびりと歩く。夾竹桃の真っ赤な花が、青い空と白壁とに鮮やかなコントラストをつくっている。途中の屋台でレモンのグラニータを買った。レモンの果汁をそのままかき氷にしたもので、しゃりしゃりの冷たさと酸味がたまらなく美味しい。

アウグスト公園からの見晴らしは「素晴らしい!」の一言に尽きる。紺と青とエメラルドのグラデーション。私はクリスチャンではないけれど、この晴天を与えてくれた神様に思わず感謝してしまった(ちょっとばかし暑いけどね)。この公園では、個人で来ている日本人を何組か見かけた。

馬鹿とすずめは高い場所がお好き

本当は、天然のアーチなど見に行きたかったが、かなり歩くようだ。海近くまで下りるワケだからアップダウンもキツそうだし。諦めてウンベルト1世広場へと戻る。アナカプリ地区へはミニバスが何本も運行している。タクシーもいっぱいいる。カプリの島内交通は便利なようだ。切符を買ってバスに乗る。15分ほどで中心広場へ到着。

アナカプリ側には、この島で一番高い山ソラーロ山Monte Solaroがあり、リフトで山頂に登れる。私はとにかく登れる場所は登ってみないと気がすまないのである。
リフトは懐かしい1人乗りのタイプ。こういうの、日本のスキー場ではほとんど見かけなくなったなぁ…。足元の危なっかしいヒナコは一瞬ひるんだが、イタリア人男性は女性にはきっちりサポートしてくれるから大丈夫だよ。思った通り、乗る時も降りる時も係のおニイさんたちにしっかり手を取って貰ってました。

ゆらゆら15分ほどの空中散歩。下りてくるリフトとすれ違うのだが、みんな顔がほころんでる。そうね、そうよねー。
山頂には、花壇の綺麗な公園と、デッキチェアとパラソルの並ぶカフェがあった。冷たいビールを戴く。展望台からは全島がぐるりと見渡せる。うーん、至福である。70%ほど堪能してから(時間限られてるからね…もうちょっと見ていたかったけど)再びリフトで広場に戻る。往路は山に向かっていたけど、今度は眼下にアナカプリの街が拡がっている。シャッターの鬼となりながら、地図を広げて方向を確かめてみる。

時計を見ると3時。お昼どうしよう? ヒナコに腹具合を聞くと、このまま昼を抜いて晩ごはんに備えたいと言う。広場のバールでハム&チーズのパニーノを1個だけ買った。会計をしながらふと横のテーブルを見ると、さっきバスの切符売場で前に並んでいたおじさん達がお茶していた。こーんなにヒトがいるのに同じヒトに会うなんて。だいたい同じような行動を取っているということでしょうね。

山頂カフェ。みんな、高い場所がお好きですねぇ…

マヨルカ焼の床。ため息モノの綺麗さでした。よく見るとライオンの顔とか結構、変

パニーノを齧りながらサン・ミケーレ教会S.Micheleへと向かう。小さな教会なのだけど、マヨルカ焼のタイルの床が見事なのだ。想像通りだった。マヨルカ焼は黄色と青の発色が何とも鮮烈で美しい。床の周りには板が渡されており、一巡しながら近くでじっくり、螺旋階段を登って上から全体をとっくり眺められる。

後ろ髪ひかれまくりなんだけど

広場から歩いて行ける展望ポイントヴィラ・サン・ミケーレVilla S.Micheleへ向かう。そろそろタイムトライアルのような状態になってきた。気持ち早足になりながら、道の両側の土産物屋にも目だけを左右に動かしながら。到着した展望ポイントは、今ひとつに思えた。いや、それなりの風景でしたが…やっぱり最初のアウグスト公園とソラーロ山の眺望が素晴らしすぎたから。展望台から戻る小道でイタリアに来て初めて日本の団体ツアーとすれ違った。

さて港に戻らないと。アマルフィへ戻る最終の船だから、乗り遅れるワケにはいかない。マリーナグランデ行きのバス乗り場は長蛇の列である。切符売場もまだ探していない。タクシーに乗ることにする。運転手の親父は、ヘアピンカーブの坂道をガンガン飛ばしながら「カプリは素敵だったかー?」と叫ぶ。うん、とっても綺麗で素晴らしかった!(コレはイタリア語で言えた) ぜひ、また来たいよ、今度は絶対泊まる!(わかんなかったのでコレは英語)

親父がカッ飛ばしてくれたおかげで、港に着いたのは船の時間の30分近く前だった。ジェラートを買って舐めながら埠頭に向かう。…が、しかし、この時間は日帰り客が埠頭に殺到するピークである。船は何隻も並んでる、ヒトの行列の山はそこここにある、そして……行先の案内板などはない。とりあえず自分の乗って来た会社の船を見つけては、クルーや並んでいる人々に「アマルフィ行き?」と聞きまくる。

ヴィラ・サン・ミケーレからの眺め。港が見おろせます

カプリのタクシーは全部白いオープンカー

イスキア島行きの船のクルーが「アマルフィ行きは17:00に変更になったよ。乗り場は11番だ」と教えてくれた。が、11番に着いた船はソレント行きだった。はるか向こうに同じデザインの船が入ってきたので走って行くと、並んだ人々は私のと同じ色の切符を握りしめている。果たしてそれはアマルフィ経由サレルノ行きであった。…ま、そんなコトだと思ったけどね。

そしてまたまた海の幸てんこもり

アマルフィに戻ると、今日も夕焼けが綺麗だった。でも、昨日よりは雲が増えてきてるかも。
この地域の特産レモンのお土産をいくつか買うつもりだった。やはり、リモンチェッロ(レモンのリキュール)は買わねばなるまい。カプリやポジターノでもチェックしたのだが、アマルフィが一番安いようだった(というか、カプリが2割増くらい。つくづく有名観光地値段だ)。

昨日のうちに、路地を1本入ったところに、奥が工場になっているショップを見つけてあった。作り立てを試飲させてもらえる。食後酒のリモンチェッロは喉越しが爽やかで口当たりもいいが、アルコール度数は高い。ソーダで割ったり、かき氷にかけても美味しい。最近は輸入食材店などで安く見かけるけど、お土産にするなら可愛い瓶に入ったのがいいものね。
この店は、様々な大きさ、様々なデザインの瓶と、種類がすごく豊富。いろんなデザインの小瓶のリモンチェッロ何本かと、レモンのソープ、レモンのバスソルトなど細々と買ってしまった。売り子のおネエさんは、小柄だけど目がクリッとしてベリーショートの髪がよく似合ってとっても可愛かった。

8時過ぎ、昨日目星をつけておいたトラットリアに行くと、今晩は予約で満席だと言う。
じゃ、第二候補にしてた店にしよう。実は私は、ガイドブックのレストラン情報はあまり参考にはしない。ガイドブックの製作事情を知ってるせいもあるが、店を探してウロウロするのは時間の無駄だと思うのだ。最近では、店構えや雰囲気などを見て、食いしん坊の自分の「本能からくる嗅覚」に頼っている。コレがまたガイドブックに頼ってた頃より、「当たる」確率が高いんですね…

店の前に貼り出されているメニューをじっと見ていると、『ピエトロ』のラベルに瓜二つのおっさんが出て来て、おいでおいでをする。よっしゃ、行くよ。
ワインと水、前菜に海の幸盛り合わせをオーダーする。パスタをどうしようか悩んでいたら『ピエトロ』は「海の幸リゾットはどうだ。激ウマだ」と言う。わかった、じゃあそれ。
メインは、魚のスープ。すべて一皿ずつ。海の幸尽しだ。そしてお決まりのフレーズを言う。「半分ずつで分けたいんだけど」『ピエトロ』はにんまり微笑む。「ものすごくたくさんあるから、問題ないよ」

海の幸のアンティ・パスト。いろんな魚介のボイルやマリネの盛り合わせ。海老、イカ、タコ、イワシ、ハマグリ、アサリ、ムール貝…

『ピエトロ』お薦めリゾットは、ホントに激ウマだった

「魚のスープ」という名前だが、実態はちょっとスープのかかった魚介てんこ盛り。どうしろというのか?というほどの量。こうなるともはや食事も「闘い」である

…本当だった。私は鮫じゃないよ、と思うくらいの魚介てんこもり。
アマルフィ最後の晩は魚介の山とともに更けていく…

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