いわゆるひとつのプロローグ──マカオ行きを決めるまで

なぜマカオか? 次はクロアチアに行くとか言ってなかったか?
まあねえ、気持ちだけは行く気満々でも、時間とか費用とか、いろいろ許してくれないのだ。初夏のヨーロッパは綺麗だけどとにかく高いし、まだ夏の名残りのある10月頃まで待てばなんとか行けるかも、と考えていた。

ところが、である。あんまりなメールがエールフランスから届いた。マイレージ・プログラムの有効期限が36ヶ月から20ヶ月に変更になるとある。サブジェクトには「マイル有効期限変更のおしらせ」などとさらっと書いてあるが、つまりは、今年の6月いっぱいでアンタのマイレージはぜ〜んぶチャラになるからね!という、ご無体な通知なわけである。ということは……秋の旅行じゃ駄目なんじゃん! せっかく燃油サーチャージが廃止されて、何万円も余計にかからなくなったのだ。バカ高かったユーロもぐぐっと安くなったのだ。初夏のクロアチア、それはそれは美しいに違いない。でもでもでも……! ヨーロッパに2週間も出かける時間と費用はすぐにはとても捻出出来ない。じゃあ、どこか近場で提携航空会社の飛行機に乗ればいいのだ! なんだかね、マイレージに踊らされている気がしないでもないが。

でも、そろそろどこか行きたいところだったんだよなぁ、近場でどこかあるかなぁ? 台湾は大好きだけど去年の10月に行ったばかりだし、だったらおんなじ中華圏で食べ物の美味しい香港はどうだろう? そういえば香港が返還されてから行ってないかも? 待てよ? それって12年ぶりってことじゃん、そうねぇ久々に香港っていうのもいいかも…? よし香港に決めたッ!

と、そういう思考の流れでもって最近の香港事情を調べ始めたところ、香港っていえばすぐ近くにマカオとかいうところあったよな、行ったことなかったよな、などと思い出し始めた。2〜3年前に世界遺産にもなったんだっけ、その頃雑誌なんかにも結構出てたっけ、どれちょろっと立ち寄ってみるかしらね、などとマカオ情報も調べてみると……これがなかなか面白そうな場所ではないの!

実を言うと、カジノとマカオGPくらいしか知識がなくて、ギャンブルに興味がないと楽しめない場所だと思っていた。そりゃ多少観光スポットみたいなものや名物な食べ物もあるけど、たいしたことなくて、香港のオプションみたいに考えていたのだ。

>> 実際、ほんの数年前までは香港のガイドブックにほんの数ページ情報が載る程度の扱いだったのだ。でも、今はマカオ単独のガイドブックが数冊ある。需要があるということだ。

…ということで、急遽決まった『とりあえずちょこっとマイル加算させよう旅』は、香港の方をオマケに、マカオをメインの旅とすることに方向転換したのであった。めでたしめでたし。

ああ、もうひとつ思い出した。
2〜3年前にマカオ人のAnnなんたら(恐らく「安」という姓ではないかと)という青年から英文のメールをもらったことがあった。私の絵を見た感想をいろいろ書いてくれて、「今度はマカオに来てマカオの絵も描いてね」と結んであった。先述したように、その時は香港のオマケでカジノくらいしか見どころはないような場所と思っていたので「そうですね、マカオも行ってみたいですね。最近は日本の雑誌にもよくマカオのことが載ってますよ。描いてみたい風景です」とかなんとかテキトーなことを返した覚えがある。なんか今頃になって、申し訳ない気持ちになった。つまり、その、非常に建前チックな返事を書いてしまったことに対して。

出発前は大波乱

目的地は決まった。
「マイルを6月中に加算する」使命まずありきだったので、日程は6月下旬から動かせない。7月からはサーチャージが完全に廃止されるわけだが、6月中だって5000円程度だ。7月に入ると航空券の値段自体がぐんぐん上がっていくので、かえってトータルでは高くつくのだ。日程の変更は出来ないくせに、一応そういうことを確認して納得したいワケですよ。

さて、しつこく繰り返してはいるが、私はフリーランスの個人事業主である。自分の勝手で好きなように休めるが、自分の勝手で好きなように休めない。矛盾した言い回しだけど、実際そうなのよ。だから、細心の根回しをした。懸案の「費用の捻出」に関しては、ありがたいことに5月に何件か仕事が入った。しかし、仕事が何件か重なるということは、もうひとつの懸案事項「時間の捻出」に関してはいろいろ困難を極めるわけである。
それでも、なんとか無理やり調整して6月24〜29日の日程を確保し、航空券もホテルも早割りのきくギリギリ3週間前に予約した。航空会社の選択の余地はない。NW7便。スカイチーム加盟かエールフランスと提携している航空会社で香港直行のフライトを持つのは、ここかJALしかなかったのだ。JALはずーっと高かったからね……否応なくノースウエストということに。うわぁ、20年くらい避け続けていた米系の航空会社だぁ……。

米系のエアのアジア便は、アメリカ本土から飛んで来て、東京を経由してアジア各都市へという行程上、夕方に成田発で目的地に21時とか22時とか23時に着く。帰路はというと8時台の出発で、宿を5時6時にチェックアウトしなくてはならない。到着日と出発日が現地で全然使えないどころか、空港〜市内の移動の公共交通や当日の食事なども不便なことこの上ない。だから、少なくともマイル加算がなければ絶対に使わない時間帯と航空会社なのである。5泊6日の日程ではあるが、正味の観光日程は4日間である。でもがっつり4日、まるまる4日あるのだ。よーし、あとは、このリフレッシュ休暇を楽しみに頑張って働こうじゃないですか! 旅行費用稼がなくっちゃ、だよね。

欲張って来るものは拒まず仕事を重複させてしまった。フリーランス稼業はこういう時大変意地汚くケチくさくなるのだ。非常にタイトかつヘビーなスケジュールにはなるが、きちんと一段落させた狭間に旅程はすっぽりはまり込む心積もりではあった。が、物事ってやつはこちらの思惑どおりになんぞ、ちっとも進みやしないのである。

結局、出発前の3週間は土日も休むことは出来なかった。終わるはずの仕事は、ごちゃごちゃトラブルが発生しまくり、思い切り難航した。データが途中で壊れてやり直しになったりたり、ライターさんの身内の弔事で原稿が大幅に遅れたり、編集上でのトラブルがあったり、営業部からイチャモンがついたり、完成間近だったのに著者が大幅な加筆訂正を加えてきたためにやり直しになったり、トラブル百貨店状態だった。出発前に完了させるなんてとんでもない、出来る限りたくさん終わらせておいて続きは帰国後ということになってしまった。

まあ、幸か不幸か、夜便での出発だ。
幸だったのは、24日から休暇もらうよ宣言はしたものの、成田発18時40分、空港には17時頃着けばいいわけである。15時頃まで仕事出来るではないか!
で、幸と不幸は背中合わせなものでして。15時頃まで仕事しなくちゃいけないではないか! …という不幸もあるわめだ。
結局、直前のの3日間はほとんど飲まず食わずで仕事場に泊り込み、仕上がった分をを宅配便で発送し、その足で成田エクスプレスに飛び乗るという綱渡りをしなくてはならなかった。旅行のために徹夜しまくりで仕事をこなすことは今までもやっていたことだが、せいぜい前日までだった。ここまで出発ギリギリまでカリカリ仕事したことってなかったかも。

>> 海外出張を日常的に繰り返しているビジネスマンなんかはいつもそんな感じなんでしょうけどね。私の場合「じゃっ! 後はヨロシク!」って言い置いておく人がいないワケでして……

乗るのは、新宿発15時40分の成田エクスプレス。ヒナコとは駅の改札で待ち合わせた。ホントは、ドンくさい年寄りと新宿みたいな巨大ターミナルで待ち合わせなんかしたくないのだが、今回ばかりは仕方ない。酸化して赤くなってしまいそうなほど口を酸っぱくして念を押したためか、ちゃんと指定の場所に彼女はいてくれた。とりあえず、一安心。張り詰めていた気持ちが少し緩んだ。
宅配便を出すついでにコンビニで買った卵サンドが今日初めて口にする固形物だった。車内販売のコーヒーを飲んで一心地つき、ようやく旅気分が地味〜にじわ〜んと盛り上がって来た。

思い起こせば初香港は夜便だった

初めて香港に行ったのは、このノースウエスト便でだったんじゃなかったっけか? もしかしたら今はアジア路線から撤退したユナイテッドだったかもしれない。どちらかだったことは確かだ。私がまだぴちぴちの20代だった頃。ええ、そういう頃もあったんです。日本はバブル真っ只中だった。

その頃は、市街地のすぐ隣に啓徳空港があった。通称「香港カーブ」を描いてのアクロバチックなアプローチ。高度を下げた飛行機は、背後の山の手前で急旋回、街の真上スレスレのところを轟音をたてて通過、強烈な横風を受けながら、海に突き出た普通より短い滑走路へと降り立つのだ。世界一離着陸の難しい空港と呼ばれていた。

飛行機の中から見ていても、街中へ直接突っ込んでいくようなスリリングなワクワク感があった。まして夜の到着であれば、光の洪水ただ中に飛び込んでいく感覚がした。
おまけにその頃にはあの九龍城砦まであったのだ──かつての魔窟であった無法地帯の雑居ビル群。すでに取り壊しが決まって住民は立ち退き始め廃墟に近くはなっていたので、キラキラと眩しい街の一角に黒々としたシルエットを見せていた。無数に林立するテレビアンテナが、黒い巨大な生き物の触覚のように不気味だった。
夜の到着は初回の一度きりで、それ以降はいつも昼間のアプローチだったのだが、明るければそれはそれで看板の文字や人の顔まで見えるような気がして、スリリングなことに変わりはなかった。

その啓徳空港も1997年の香港返還の翌年に役目を終えた。私は返還直前に訪れたのを最後に、しばらく香港から足が遠のいていた。マイルドチャイナ・台湾の穏やかさの方がウマが合ったこともあるし、年齢を重ねるほどに物欲が少なくなってブランド品購入意欲が低下したこともある。

離陸時には暮れかけていたが、雲の上は夕焼けだった。南西方向に移動する関係上、1時間ほど夕焼けと併走していた

到着時刻が近づいて、ちらほらと下界の灯りが見え始めた頃、そんないろいろなことを思い出した。眼下に香港の形そのままの光のシルエットが見える。間にヴィクトリア・ハーバーを横たえた九龍半島と香港島の形がわかる。あの時よりずっとずっとずっと上空を飛行機は通過した。そうだ、新しい空港はずっと離れた島のはじっこにあるんだった……。

とりあえず到着気分を味わおう

出発は30分近く遅れたのに、定刻より5分早い着陸となった。新型インフルエンザのせいで、入国書類の他に健康問診票も書かされた。香港よりも日本での感染者数の方が多いのだ。入国審査官も税関職員もみ〜んなガッチリとマスクをしていて「ウイルス持ち込むんじゃねえよ、伝染してくれるなよ」という顔をしている。名前やパスポートナンバー、到着便名などは無論だけど、シートナンバーも記入する。ああ、発症者が出たら、近くにいたとか、そういうこともわかっちゃうわけね。自宅の住所や電話番号まで。マークされると追いかけてくるわけね。

新しい空港は広くてピカピカだった。開港して10年以上たっているわけだけど、私は初めてなのだ。啓徳空港は天井が低くて、壁や床も古くて汚くて、鮮やかなんだかくすんでいるのかわからないような山吹色の黄色い地に太い楷書文字で黒々と書かれている「出口」とか「入国」とかの案内板がやたら目立っていた印象がある。ああ、漢字の国に来たんだなあという感覚がしたものだ。なんでこんなに鮮明に覚えているんだろう? 台北でも上海でもそんなふうに感じなかったのに。
今は、普通の綺麗で大きな空港だなあ…。使い勝手はいいけれど、無個性でもある。

税関を出たすぐのところにいきなり機場快綫(エアポート・エクスプレス)の売り場があった。カードが使えるようなので、早速購入。九龍までは片道90HK$、往復だと160HK$と割引になる。香港の公共交通の値段からすると圧倒的に高いのだけど、九龍まで20分、香港島まで24分のスピードはありがたい。駅からはいくつかのホテルを巡るシャトルバスが何ルートか出ていて、私の予約したホテルもルートに入っているのだが、23時頃が最終のようで、今からでは微妙に間に合いそうもない。駅からホテルまではタクシーを使わなくてはならないな。列車は24時過ぎまであるから……、だったら、遅くなりついでということで、ちょっと香港の味を味わっていっちゃおうかな?

…てなことを考えたのは、到着ロビーを出たところに、香港スイーツのチェーン『許留山』[WEB]の看板がどどーんと目に飛び込んできたせい。いくら夕方出発で飛行機に乗って来ただけとはいえ、旅の初日にあの不味い機内食だけでただホテルに行って寝るだけでは、あまりにつまらないなぁ、と思ったから。うん、何かデザート食べて行こう。

もう夜の11時なんだから甘いものなんか食べている場合ではないのだけど、色鮮やかなスイーツたちが並んでいるメニューを見ているとワクワクしてしまう。
「たっぷりマンゴー白玉」と「マンゴープリンとフルーツ盛り合わせ」を注文。香港とか台湾のヒトは「日本人てマンゴーのスイーツ好きだよなー」って思ってるだろうけど、日本はねぇ……マンゴーってすんごく高いの! 輸入モノか、宮崎産のアップルマンゴーなんだけど、と〜〜っても高いの! そもそも日本のフルーツは全体的に高いけどね、その中でもマンゴーって結構高級な部類なわけ。だから、日本で出てくる3倍か4倍乗ってて値段が2分の1だったりすると、それだけで頼まないと損なような気持ちになってしまうんだと思うのよ…。

器の直径はCDよりもひと回り大きい。ほとんどピューレ状のマンゴージュースに白玉とマンゴー果肉がたぷたぷしている。真ん中にマンゴーアイスが1スクープ。いやもうコレはたまらんわ

マンゴープリンの上にココナッツシャーベットがどん! マンゴーソースとろ〜り。マンゴー果肉はまるっと半個の大盤振る舞い。周りを囲むは、いちご、キウイ、西瓜、メロンの方々

マンゴー白玉は、トロリと濃厚なマンゴージュースに、白玉団子とマンゴーの果肉とマンゴーアイスクリームがどっさり入ってる。アイスクリームはちょっと香料チックな味でミルクっぽさがいまひとつかな。でも白玉団子は、日本の白玉のような“つるつるぷるん”とした食感ではなく、もちもちっとした弾力があってすごく美味しい。すいとんなんかの歯ごたえに近いかも。
マンゴープリンもアイスと同じで少し香料っぽかった。いや、美味しいよ、じゅんぶん美味しいけどね、期待感いっぱいなものだからものすごく高望みをしてしまうわけ。プリンの周りにはフレッシュフルーツがぐるり、上に乗ったオレンジ色のはマンゴーアイスではなくて、マンゴーソースのかかったココナッツシャーベットだった。これはシャリシャリした食感がかなりGOOD、GOOD。マンゴー白玉は34HK$、マンゴープリン・フルーツ・アラモードは38HK$、日本円にして500円しないわけだからね、文句言っちゃあ駄目よね。

美味しいスイーツのおかげで気持ちはほこほこっと温まったわけだが、やたら冷房が強かった機内で冷え冷えになってしまった身体は、さらにお腹の中からも冷やされてしまった……うーん。

スイートルームにグレードアップ

駆けつけ一杯のマンゴーデザートに満足して出口に向かうと、バス乗場よりもタクシー乗場よりもずっと手前に列車乗場はある。階段を10段くらい昇ると、改札もなくいきなりプラットフォームだった。あれまあ、これは楽チンだわ〜。
列車は12分おきなので、すぐ来る。一つ目の青衣という駅で地元らしき人々がほとんど降りてガラガラになってしまい、九龍駅には本当に20分で着いた。新空港は啓徳空港に比べ、距離としてはずっと遠くなったのに、シャトル列車が高速なためにかえって早く市内に入れるように思う。

空港駅ではいきなり列車に乗れてしまって切符のチェックはなかったが、ちゃんと自動改札の出口があった。出口手前にちゃんと切符売り場はあって精算出来るので、とりあえず飛び乗ってしまっても問題ないわけだ。九龍駅はテナントがいくつか入った複合ビルになっていたが、この時間ではどこもクローズしていて、降りた客も5〜6組しかいなくて、深閑としている。

タクシーでホテルへ向かう。機場快綫は香港の他の交通機関に比べるとかなり高めで、せっかく料金内に入ってるシャトルバスが使えないのはちょっと悔しいが、タクシーだってたいした値段ではないのだ。予約したロイヤルパシフィック・ホテル&タワーズ(皇家太平洋酒店)[WEB]までは22HK$、300円しないのだからねぇ。ここはホテル棟とタワー棟の2つの建物に分かれていて、ホテル棟の方は比較的リーズナブルな値段。さらに「旅の窓口」に「早めの予約で20%オフ」というプランがあったので、ツイン560HK$で予約しておいた。(ここにサービスチャージ10%が加算された)

チェックインすると、何故か部屋をグレードアップしてくれた。港を望むタワー棟側ではなく、ホテル棟の方のままだけど、最上階23階のスイートルーム。エレベーターは22階までしかなくて一階分階段を登らなくてはならないのだけど。部屋が広いのは嬉しいな♪

扉を開くと、まず小さなカウンターがあって、冷蔵庫や湯沸かしポットやミニバーが。続いて大型のワーキングデスクがあるが、電話機や各種パンフレット類などが並んでいて、ロビーとかにあるツアーデスクをそのまま移動させてきた感じ。さらに奥にソファとテーブルとTVのあるリビング部分。ベッドルームはその隣奥。クローゼットをはさんで通路の奥にドレッサーがあり、隣にバスルーム。
一番奥の角部屋なので三方向に窓があり、ミニバーの奥からはホテルに面した九龍公園の黒々とした木々が広がり、リビングからは廣東道を見下ろす感じ。建物から直接連絡通路が公園に伸びているのが見える。あそこを渡って公園に朝の散歩に行けるね。
ベッドルームの窓からは、ガラスにへばりつくようにすると、隙間からかすかに港らしきものを見ることが出来た。

ベッド自体はそう大きなものでなかったけれど、ベッドルームにももう一台TVがあった。そもそもが超高級ホテルというわけではないので、内装や調度もシンプルで、「ゴージャス!!」という感じではないのだけど、ゆったりと広いというのはなんだか嬉しい。でもさあ、TV2台はいらないよ…。

とりあえず、機内冷房冷え冷え、空港ビルも冷え冷え、空港からの列車も冷え冷え、ホテルの部屋も超冷え冷え、おまけに冷たいデザートまでお腹に入れてしまって、全身中から外から冷え冷えだ。駅からタクシー乗場に降りた時はむあっとした湿気に包まれて「うわっ、やっぱ暑〜い」と思ったのだが、たった一瞬のことだった。少しは窓からその熱気に入って来ていただきたいものだが、当然23階の窓は嵌め殺しである。とりあえずはエアコンのスイッチを切って、熱めのお風呂にゆっくり浸かるとしましょ。

お風呂から上がると喉が渇いたのだが、1.5リットルのエビアンに68HK$というふざけた値段がついている。小瓶はもっと割高だ。冗談じゃないよ、宿泊費が560HK$で水が68HK$って、それはないでしょ。湯沸かしポットで水道水を煮沸して飲むことにした。スイートルームで白湯を飲む私たち……
そんなことをいろいろやっているうちに時計の針は2時を回ってしまった。ホテルにチェックインしたのがすでに12時だったんだものねぇ。わー、早く寝なくちゃ〜。

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