Le moineau 番外編

実は私、動物好きなのである。犬猫小鳥の一般的ペットは無論、小動物大動物爬虫類、お魚さんもみんなみんな大好き。あっ、足がないものはダメだな、ミミズさんとか。あっ、足があり過ぎるのもダメだな、ムカデさんとか。あっ、蝶とか蛾もダメだな。あっ、蟻とか蜂とか……と、結構ダメではありますが、基本的に動物は好き。そういう気持ちが通じるのか、旅先でも結構交流があるわけです、アニマルさんたちと。いや、彼らは別に交流したつもりはないかもしれないが。
これも、とりあえず思い出したものを思い出した順に時系列ばらばらに。


NEW 噛みつきブラック・スワン@英国

NEW ボンくんと握手@タイ・バンコクのとあるホテル

エイとのスキンシップ@サイパン日航ホテル comming soon!

ブレーメンの音楽隊員たち@ドイツ comming soon!

威嚇する子豚@バリ島 comming soon!

ジャイアン猿の横暴@バリ島 comming soon!

パンダ放置プレイ@上海動物園 comming soon!

噛みつきブラック・スワン@英国

ロンドンに行ったのは95年のGWだったかと記憶している。
ロンドンのちょっと郊外に、2002年だか03年だかに世界遺産に登録されたキュー王立植物園という場所がある。
120ヘクタールもあるというだだ広い敷地内に世界中から女王さまの名にかけて集めまくった植物が4万種以上あるということで、何種類もの温室やガーデン、鳥やリスなどもたくさん放し飼いにされている。ロンドンの街の喧騒を離れて一日花々を愛でてリラックス&リフレッシュするには格好の場所だった。郊外といっても地下鉄と近郊電車に乗り継いで30分かからない程度。

世界に誇る熱帯植物のコレクションは大温室は、独特のデザインで、キューガーデンの象徴。ここの紹介には必ずこのパームハウスの映像が出る。正面には大きな噴水池が広がっていて、いろんな水鳥たちものんびりと浮かんでいた。
よく晴れた暖かな気持ちのいい日だった。池の傍に立って「うーーん」とひとつ大きな伸びをしたところ、池の中央から一羽の黒鳥が猛スピードの一直線で私に向かってくるのが見えた。私は動物に友好を示されたりすり寄ってこられたりすると無条件で嬉しくなってしまうたちなのである。ちなみにその日は、カジュアルなワンピースに黒いタイツを穿いていた。今より15kg以上も軽かったその頃は、カモシカのような黒鳥の首のようなすらりんと細い脚線美が自慢だったのだよ。……言い過ぎですか、そうですか。

ま、それはさておき、その、あれだ。黒鳥に寄ってこられて嬉しくなり「ん〜? どうしたの〜? 私に求愛に来たのかなァ…??」などと友好に気持ちをあらわにしたところ……奴は私の向こう脛にいきなりガブリと噛み付いたのである! そして、くるりと向きを変えて泳ぎ去ってしまった。ラジオペンチか何かで挟んでねじったらこんな感じという痛みで「うぎゃぁああっ」などという悲鳴をあげてしまった。だってだってだって、弁慶だって泣いちゃう処なんだよ…! そこをラジオペンチでぎゅむむっですぜ!

奴は猛スピードで泳ぎ寄ってきて疾風のように去って行ったので、私が噛み付かれたことを周りにいた観光客の誰も認識していなかった。「何騒いでるんだ、この東洋人は!」みたいに胡散臭そ〜うに見られるばかり。私の連れですら「いきなり大きな声出してもう! 恥ずかしいなあ! 大袈裟なんだから!」という態度であった。
タイツなのでその場で脱いで傷を確認するわけにはいかなかったが、半ベソで上から触ってみると湿っていた。うわっ流血か!とビビッたが、鳥のクチが濡れていただけであった。

これが大温室と、大温室前の池。

その日一日、脛は地味に痛んでいた。
晩になって入浴時に見てみると、向こう脛の真ん中、皮だけの肉なんかこれっぽちもついていない、いちば〜ん痛あい場所に、><の形に紫色の痣がクッキリ。><には回転のかかった歪みがあり、明らかに挟んでねじった形であった。
それにしても、あの一直線に突進してきた様子は、絶対に私の黒タイツの足を仲間と認識したからだ。でも求愛じゃあなかった。近寄ったら人間だったのでムカついて噛み付いたのか? それとも黒鳥と思って、縄張り争いの警告か? 迷惑な話である。痣は2週間くらい消えなかった。

今でもキューガーデンの映像が出ると思い出す。いっぱい花があったなあ、綺麗だったなあ、痛かったなあ。

ボンくんと握手@タイ・バンコクのとあるホテル

初めてのタイ訪問は90年の秋。プーケットでのリゾート目的だったのだが、飛行機の乗り継ぎで帰路にバンコクで一泊しなくてはならなかった。プーケットからの飛行機は夕方の到着、翌朝は日本行きの便に乗らなくてはならないので、晩ごはんを食べてちょっと散歩してとっとと寝るくらいしかないバンコク滞在だった。

20年も前のバンコクはMRTも地下鉄も何もなく、交通渋滞が街の代名詞になるほどで、それはそれは想像を絶する凄まじさだった。また日本での車検は到底通れないようなボロクルマだらけ。空港からの送迎バスの車窓から垣間見ただけだったが、扉が取れたままの公共バス、夫婦+子供3人を満載したスーパーカブ、──勿論ノーヘル・サンダル履き。

車体がボロいだけでなく、排ガスの規制も日本よりずっとゆるゆるで、垂れ流しまくり。冷房のきいた車内から見ている時にはわからなかったのだが、臭いわ煙いわで外を15分ほど歩くと気持ち悪くなってしまった。ナンプラーやパクチーの香りも、蒸し暑い熱気も、プーケットでは平気だったのに……。これは歩き続けられない、とにかく囲いの中に避難しなくては!と、駆け込んだ通りすがりのホテルのエントランス広場に彼はいた。
音楽にあわせて足踏みで踊るきゅーとでぷりちーな子象

名前は「ボンくん」だと象使いの青年が教えてくれた。握手させてもらった。手と鼻とでだけど。
恐る恐る手をのばすと、ボンくんの鼻は人間の腕のように柔らかく温かく絡みついてきた。掌をぎゅむむっと握ってくれる先っぽには二つの穴があいていて、ばふっばふっと温かい息が当たる。そうだよ、鼻なんだもんね。当たり前のことだけど、なんだかとっても感動した。

ボンくんの皮膚は固かった。ぽしょぽしょと生えた毛も固かった。ちっちゃなちっちゃな牙が可愛かった。実は足踏みと首ふりは音楽とはズレていたが……可愛かった。

写真のボンくんは笑っている。改めて写真をよく見ると、隣の象使いは青年というよりティーンエイジャーだ。象と象使いとは同じコンビで一緒に成長していくというから、20年もたった今は、彼もボンくんもきっと働き盛りだろう。どこかでお客さんを背中に乗せているのかな? どこかで芸をしているのかな? 元気でいるといいな。

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