Le moineau 番外編

普段の日本においてはマッサージか鍼治療に行くくらいで、エステもネイルサロンも近寄りもしない私だが、何故か旅先では「癒し」「美容」関連を訪れてしまう。いろいろ思い出してみたら、アジア限定だった。3〜6日くらいの短期旅行だから、「休暇」というよりは「連休」くらいの気軽な息抜き気分でそういう場所に足を運んでいるのかもしれない。また、アジアには各国さまざまな「美容と健康の癒しの場」があるのである。とりあえず思い出したものを思い出した順に時系列ばらばらに。


フェイシャルエステ@香港

垢すり@韓国

足裏マッサージ@台湾

足踏みマッサージ@台湾

NEW ハーブオイルマッサージ@タイ

極楽スパ@タイcomming soon!

三つ編み押し売り@インドネシアcomming soon!

フェイシャルエステ@香港

記憶が曖昧なのだけど、エスティローダーだかランコムだかの化粧品ブランドのサロンに行ったんだと思う。どこかのホテルのアーケード内にあった。何故そこを選んだかというと、私のクレジットカードの優待リストの中にあったから……にすぎない。バブルははじけ終わってた頃だけど、日本でのエステはまだまだバカ高いものだった。円高の頃だったから、半額以下のお値段だったのだ。ちなみに中国に返還される前だから、1995年とか96年とかだったかと。

多分、40分くらいのコースで、フェイシャルマッサージとスクラブマッサージをしてもらったように記憶している。記憶に残る感想といえばとにかく「べとべと」「痛い」であった。
クリームぬとぬとてんこ盛りで顔中マッサージされるのは確かに気持ちいい。ぬらぬらにされた後、蒸しタオルでじっくり蒸されるのも、確かに気持ちいい。その後、産毛を抜いてくれるのだが、これがピリピリと地味〜に痛かった。
さらにその後、細い金属棒のような器具が登場、コイツを小鼻に押し付けてグリグリグリグリ、ぎゅうぅぅぅすっぽん!とやられた。鼻の角栓を取るらしいのだが、これがもう鼻がもげそうに痛い

その後はよく覚えていない。ていうか、拭き取り化粧水で拭き取られて、引き締め化粧水ぱたぱたされて終わり、だったかも。両手で頬を包み込んでみたが、「しっとり吸い付く」というよりは「ぺっとり貼り付く」感触。あのようなお高い栄養クリームをバンバン擦り込むには、まだ私の肌は若すぎた…ということであろう。もともと乾燥肌ではないのでね。
恐る恐る鏡を覗き込んでみると、そこにはトナカイさん顔負けのピカピカ赤鼻の私がいた。
が、しかし! じっくり見ると、おおお! 鼻パックではどうしても取りきれなかった黒ずんだ角栓がすべて無くなっている。黒ずみ取れても赤鼻のままだったらどうしよう?と思ったが、数時間後には赤みはひいた。その日一日小鼻はずぅぅんと痛みがあったが。あと、クリームにて栄養あげ過ぎちゃったのか、何年ぶりかでほっぺに吹き出物がぽつぽつ。

ちなみに、あれから十数年が経過したわけだが、時々鼻パックのケアをするだけで、小鼻に黒ずんだ角栓はできない。痛かったが、徹底的に角栓を取り除いたおかげであろう。考えてみれば、お肌の曲り角を曲がって曲がって一周しちゃったようなお年頃、そうそう皮脂の量も多くないってことなんだけどね。皮脂は減ったが、皮下脂肪は増えているという事実はスルーしておく。

垢すり@韓国

1990年代半ばの数年は、高校の頃からの親友が夫のソウル駐在に帯同していたので、彼女に会いにしばしばかの地を訪れた。韓流ブームの起こる10年ほど前。日本製品はあの『キッコーマン』すら韓国で買うことはできない頃で、私はスーツケースいっぱいにカップラーメンとか日本の調味料とかお土産に持って行き、そのお礼にいろいろソウル市内を案内してもらっていた。勿論、垢すりにも毎回連れて行ってもらった。

いつもグランド・ハイアットホテルでのコースを予約してもらっていた。もう干支が一巡するほど年月がたってしまったので、今はもっと高級感漂うSPAかなにかに改装されてしまったのかもしれない。町中の垢すり屋さんなどに比べ高級な部類だったはずだが、あんまり臆するような雰囲気はなかったように思う。ジャグジーとかサウナとか蒸し風呂とかに併設してマッサージベットが3〜4台並んだ小部屋のある、ちょい綺麗めの健康ランドという趣きだった。

記念すべき第一回目は、私も初めて、友人も韓国着いて一ヶ月で初めてで、垢すりに対してあんまり予備知識はなく、予約した時間ちょうどに行ってしまった。今ならちょっとした銭湯にも垢すりはあるからわかってるけどね、当時は知らなかったのよ、サウナやお風呂で充分にお肌ふやかしていないと、すげぇ痛いし垢もたいして出ないものだってことが。

今もそうなのかは知らないけれど、垢すりオバちゃんのユニフォームは、年齢体型関係なく黒のセクスィ〜〜ビキニがデフォルトであった。それも小さめ、サイズ合ってない………
まず、ベッドにすっぽんぽんでうつぶせになり身体を濡らすのだが、これがシャワーでしょわしょわ……なんてものじゃない、洗面器か桶のお湯をぶちまけるようざっぱーーーん!である。ざっぱーーん数回の後、垢すりミトンを使って全身すりすりしてくれる。「ミギ」とか「ヨコ」とか「ウラ」とか言われて横向きになったり仰向けになったり。ビニール張りのベッドは濡れるとツルツル滑って向きを変えるのは結構大変。タオル一枚ないすっぽんぽんのぽーんなのに、足の付け根なんかもこするのでね、割ととんでもない状態になるんだ、これが。友人ともすぐ隣同士なわけだから、一回目はちょっと恥ずかしかった。
オバちゃんは馬乗りになってすりすりすりすり、ビキニからハミ出た脇腹やお尻や二の腕がたぷんたぷんと揺れてはぶつかってくる。……結構重労働だな、これは。薄目を開けて眺めていたいところだが、時折すすぎのざっぱーーん!がくるので、なかなか油断ならないのだ。

一通りすり終わると、乳液みたいなものを塗られてオイルマッサージ。リンパ節をくりくりと刺激するタイプのマッサージで、これが結構痛いのだ。(私ははっきり痛いと言えなくて我慢してしまったら、翌日腕のあちこちに赤い痣が出来てしまった。これではヤク中の注射痕のよう……とほほ、である)

ほとんど「格闘」みたいなマッサージが終わり、少し朦朧としていると、オバちゃんが小さなボウルを持ってくるのが見えた。何か薄緑色したペースト状のものをぺちゃぺちゃと混ぜている。何だろう?アレは?何されるんだろう?と疑問符が明滅し始めると同時に、それは容赦なく顔面に乗せられた。青臭い香りにむせ返りそうになる。こ、これは……すりおろしたキュウリのパック! 冷たくて感触は気持ちいいが、この臭いはかなり強烈。顔面キュウリまみれで窒息しかけている間、オバちゃんはヤスリみたいなのもので踵をコリコリコリ。続いて全身を何かですすいでいる。「カオ、アラウ」と渡された洗面器には白い液体が入っていた。青臭いキュウリをすすぐ白い液体の正体は牛乳であった。
一息つく間もなく、再びうつぶせにされ、ざっぱーーん攻撃。裏返ったまま、がーーーっと頭皮マッサージ&シャンプーして、ざっぱんざっぱーんとすすいで、ハイ一丁上がり! 全部で60分くらいだったかな?

なかなかワイルドなんだけど、結構これがハマるんですわ、本場の垢すり。でも、あのリンパマッサージはちょっと苦手だな。2回め以降は弱くしてもらったんだけど、やっぱり痣になっちゃうんだもの。

足裏マッサージ@台湾

足ツボマッサージときたら、やっぱ台湾でしょ。町中にも足裏にツボを記した看板がたくさんあって、韓国の垢すりよりもタイのオイルマッサージよりも気軽〜〜に受けられる感じ。非常に敷居が低い。今は日本人相手にはあまり痛くしない足ツボが主流だが、一番最初に受けた時は棒を使ってグリグリこね回されて、とんでもなく痛かった。思わずマッサージ師さんを蹴飛ばしてしまったほどに。60分とにかく足裏のツボのみのコースだったのだが、棒でグリグリされているだけなのに、胃腸がゆるく揉みしだかれる感じがしてきて、時折ぐるぐると鳴る。何か腸の蠕動にダイレクトに効いている気配……。終わってすぐ白湯を飲まされたのだが、胃の中をぎゅるるるっと動く感触があって、軽い吐き気がこみ上げてきたくらいだ。

その後食事に行くつもりだったのだが、ぐったりしてしまって一旦ホテルに戻ったところ、突然下腹にきゅるきゅるきゅるとキまして……ええ、トイレ直行です。出ました出ました、そういえば三日ぶりでしたっけ(笑)。歯磨きチューブを絞るようにすっきり出た後は、気分爽快けろりんぱ。よっしゃ、旨いモン食べに出動!でしたよ。空腹で受けたから、刺激が強すぎたのかもしれないな。

初回がそんな感じだったから、足裏のツボって凄いんだー……と、私の脳内に深々と刻まれたのであった。その頃、肩凝りがひどくて鍼治療にかかってたりしたから、よけいツボのこと大切に思っていたせいもあるかも。

そういうわけで帰国後も、足裏グリグリ棒とか、足裏ゴロゴロ棒とか、足裏ふみふみ板とか、足裏でこぼこベルト、足裏コロコロボール、etc、etc……。見つけた足裏刺激グッズを買い漁っては日々グリグリゴロゴロふみふみし続けていた。疲れている時とか、生理痛のひどい時とかは、飛び上がりそうに痛いんだよ……。涙目になってグリグリゴロゴロふみふみしていると、だんだん痛くなくなってくるの。身体もほあぁぁぁーっと暖まってくるの。あのイタキモの後ゆるゆるほどけてくる感覚、クセになるんだよね……まあ、一種のMだわな。

足踏みマッサージ@台湾

マッサージ関係の店はよりどりみどりな台湾。リーズナブルなところでは道端に面した半露天の足ツボの店、高級どころでは5星ホテルの超ゴージャス・サロン。深夜や明け方までやっている店が大半で、夜市の屋台でさんざん食い倒れた帰り道、気軽に消化をよくするツボも押してもらいに立ち寄れるワケである。

足ツボだけでなく、台湾式足踏みマッサージも一度経験してみたいと思い、一度だけこういう綺麗なサロンに行ってみた。選んだ温莎堡視廳理容名店は300坪以上のスペースのある大型店。1人用や2〜3人用、グループやファミリーもOKの個室が50室くらいあるそうで。高級ホテルのようなキラキラしたフロントとロビーが表通りに面している。
台湾式全身マッサージ120分に、やっぱり足裏マッサージも捨てがたく40分をオプションで追加。
こういう綺麗なサロンではいろんなことがそれはもう至れり尽せり。その時は2人連れだったので、2人用の個室に通されたが、調度もなかなかシックでハイセンス。まずバスローブのような浴衣のような着物に着替える。マッサージベッドは歯医者椅子のような可動式のもの。

背中をむき出しにした状態でうつぶせ寝で待っていると、マッサージ師のオバちゃんがひと抱えもある巨大なタオルの固まりを持って入ってきた。この固まりは20枚くらいある蒸しタオルで、顔やら足やら背中やら包んでくれるのだが、まずこの段階で気持ちよさに蕩けてしまうのだ。ほえぇぇ〜〜と蕩けている間に、脚全体を烏龍茶でちゃぷちゃぷ洗ってくれる。

まず全身を蒸しタオルで蕩けさせておき、背中や腕などマッサージする部分にオイルやら乳液やらを潤沢に塗り塗り。ひととおり揉むと再び一抱えの蒸しタオルを持ってきて包んでくれる。またひととおり揉んでくれて、再びタオル包み蒸し……。オバちゃんが腕やら肩やらを揉み揉みマッサージしている間、おじちゃんが足ツボをぐりぐりしてくれる。途中、エステティシャンのお姉さんがフェイスマッサージはどうか、別のオバちゃんが爪切りはどうか、また別のオバちゃんが耳かきはどうか、と入れ替わり立ち替わりセールスにやって来る。全部頼むと、おじちゃんやオバちゃんやお姉さんやお兄さんに全身群がられ、さまざまなパーツをお手入れいただけるわけだ。値段もすごいことになっちゃいそうだけど。

台湾式マッサージの仕上げは、うつぶせに寝た背中にマッサージ師が立ち上がっての足踏みである。そりゃあ背中や腰のずっしりとた凝りは、指でこねこね揉んでいるより体重かけてほぐした方がよさそうではあるが……。小学生くらいの子供ならともかく、大人に踏まれて背骨がどうにかなっちゃったりしないのだろうか? ちょこっとよぎった不安はまったくもって杞憂であった。天井にバーが取り付けてあり、オバちゃんはそこに掴まって力と重さを加減しながら乗っかってくれるのだ。この体重を徐々にかけていく按配がこれまた微妙なの。足の指でぐにぐにぐにっとツボを押しつつ、ぐぐぐーーっと重みを加えてくる。もう120分夢見心地。

夕食の後で行ったので、終わった頃にはもう地下鉄はないのだが、ちゃんとホテルまで送迎してくれる。運転手と一緒にちょうど休憩時間になったという担当マッサージ師とフロントのオバちゃんも一緒にワゴン車に乗り込んできた。帰りに夜食食べていくんだそうだ。

ハーブオイルマッサージ@タイ

お国変わればマッサージの方法も微妙に変わる。
台湾のは要所要所でツボをぐっぐっと押しながら、ぎゅううううと掴むように大きく揉みしだく感じ。
韓国のは、リンパ節を指でこりこり抓るように揉む感じ。私はあまりこれが得意でなく、痛かった。「来るゾ来るゾ、痛いの来るゾ」と身体を固くしちゃうので、なおさら痛さ倍増。翌日には腕の内側や太ももなどの柔らかいところに赤い痣がいっぱい出来ちゃうのが常であった。

ちなみにタイのマッサージは大雑把に分けて3種類。
ひとつめはタイ古式マッサージ。バンコクの王宮近くの涅槃仏で有名なワット・ポー、ここが総本山である。ええ、お寺なんです、お寺にマッサージ・スクールがあるんです。残念ながら、未体験。参拝の後に試してみたかったのだけど、激混みで2時間待ちだったものだから。関節をバキバキバキッとする、整体系のマッサージだという。私、鍼をぶちぶち刺されても、お灸でぶすぶす燻されても全然平気なんだけど、整体バキバキ系は何かちょっと怖いの……。

2つめ。バンコクの繁華街で「マッサージ・パーラー」という店はほとんどが、いわゆるタイ式ソープランドだとのこと。タイ式も日本式も、私にはわからないので、これはスルー。

3つめがハーブオイルを使ったオイルマッサージ。
私が20〜30代の頃勤めていた会社では、毎年10月の第二週に社員旅行に出かけていた。土日を含めて三泊四日というのが普通で、そのほとんどが近場のアジア・リゾートだった。その頃は思いっきり円高だったから、かなり設備の充実したホテルでも手頃な値段だったのである。えーと、会社が払ってくれていたのに手頃っていうのもナンですが……。

多分1994年か95年頃だったと思う。パタヤ・ビーチのリゾートホテルにマッサージルームがあったので、同僚たちと一緒に受けてみた。予約も何にもしないで3人で行ったのだが、すんなりそれぞれの個室に通された。12畳くらいはありそうなフローリングの部屋にポツンとマットレスが置かれ、その脇にマッサージ担当のお姉さんがニコニコ笑って座っていた。えーと、オイルマッサージだったよね? Tシャツの裾をめくりあげて脱ぐのか尋ねてみると、お姉さんはニコニコ頷く。更衣室も目隠しになる衝立もないけど、ぱぱぱっと上半身裸になってマットの上にうつぶせになる。
まあ、いわゆるフツーのオイルマッサージで、フツーに気持ちよかった。値段は覚えていないんだけど、1時間くらいやってもらって2000円しなかったんじゃないかなぁ? なにしろ円高だったのだ。アジアは安かったのだ。贅を尽くす感じのマッサージではないけれど、あんなに個室が広い必要あるのかという点においては贅沢極まりなかったかと。3人まとめて同じ部屋でもよかったんじゃないか?

ちなみに翌日。ビーチで甲羅干ししていると、ビニールゴザとオイルのボトルを抱えたオバさんがマッサージの押し売りにやってくる。入れ替わり立ち替わりやってくる。500円かそこらなので、どうせヒマだしなどと、受けてみたのだが……。
値段が値段なので仕方ないのだが、ハーブオイルではなくてただのベビーオイルである。下手にケミカルな香りをつけられるくらいなら、無色無臭のベビーオイルの方がよっぽどありがたいのではあるが。でも、オイルをちょびっとしか使ってくれないので、オバさんの手がペタペタと肩や背中に貼りついて痛いし気持ち悪いったらないのである。中途半端に塗られたオイルのおかげで、まだらに日焼けしちゃうしさあ……。安かろう悪かろうのタイのオイルマッサージなのであった。

でも、これは94年か95年頃の話。今はいろいろ事情も違うんじゃないのかな。

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