色の名称
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素材
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染料
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媒染料
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備考
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黄櫨(こうろ) |
綾1疋 |
櫨(はじ)14斤
蘇枋(すおう)11斤 |
酢 2升
灰 3斛(こく) |
天皇の袍の色。櫨の若芽の煎汁に蘇枋の煎汁で染め重ね、さらに櫨で仕上げるもの。 |
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黄丹(おうに) |
綾1疋 |
紅花(ベにばな)大10斤8両
支子(くちなし)1斗2升 |
酢1斗
麩(むいかす)5升
藁 4圍(い) |
皇太子の袍の色。黄櫨に次ぐ禁色。 |
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深紫(こきむらさき) |
綾1疋 |
紫草(むらさきそう)30斤 |
酢 2升
灰 2石 |
紫草の量だけでなく、媒染の量でも色が変わりました。紫草の使用量が多くなるほど、より鮮やか色になり、より位の高い色となります。 |
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浅紫(あさむらさき) |
綾1疋 |
紫草 5斤 |
酢 2升
灰 5斗 |
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深滅紫(ふかけしむらさき) |
綾1疋 |
紫草 8斤 |
酢 2升
灰 1石 |
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浅滅紫(あさけしむらさき) |
絲1絢 |
紫草 1斤 |
灰 1升 |
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深緋(ふかきあけ) |
綾1疋 |
茜(あかね)大40斤
紫草 30斤 |
米 5升
灰 3石 |
『延喜式』で定められている緋色は、紅花で染めた赤ではなく、茜で染めた赤のことです。 |
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浅緋(あさきあけ) |
綾1疋 |
茜 大30斤 |
米 5升
灰 3石 |
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深蘇枋(ふかきすおう) |
綾1疋 |
蘇枋(すおう)大1斤 |
酢 8合
灰 3斗 |
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浅蘇枋(あさきすおう) |
綾1疋 |
蘇枋 小5両 |
酢 1合
灰 8升 |
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蒲葡(えびぞめ) |
綾1疋 |
紫草 3斤 |
酢 1合
灰 4升 |
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韓紅花(からくれない) |
綾1疋 |
紅花 大10斤 |
酢 1斗
麩(むいかす)1斗
藁(わら)3圍 |
紅花を使って染めた赤には「紅」の文字が入りました。 |
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中紅花(なかのくれない) |
貲布(きよみぬの)1端 |
紅花 大1斤4両 |
酢 8合
藁 1圍 |
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退紅(あらぞめ) |
帛(はく)1疋 |
紅花 小8両 |
酢 1合
藁 半圍 |
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深支子(ふかきくちなし) |
綾1疋 |
紅花 大12両
支子(くちなし)1斗 |
酢 5合
藁 半圍 |
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黄支子(くちなし) |
綾1疋 |
支子 1斗 |
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橡(つるばみ) |
綾1疋 |
搗橡(かちつるばみ)2斗5升
茜 大2斤 |
灰 7升 |
この時代にはまだ「茶色」という色名はありませんでした。橡色とは、ツルバミ(ドングリのこと)のような色の総称です。赤や黄や紫などの重ね染めによって出来た茶色系の色を橡と呼んだようです。 |
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赤白橡(あかしらつるばみ) |
綾1疋 |
黄蘖(はじ)大90斤
茜 大7斤 |
灰 3石 |
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青白橡(あおしらつるばみ) |
綾1疋 |
苅安草(かりやす)大96斤
紫草 6斤 |
灰 3石 |
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深緑(ふかきみどり) |
綾1疋 |
藍 10圍
苅安草 大3斤 |
灰 2斗 |
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浅緑(あさきみどり) |
綾1疋 |
藍 半圍
黄蘖 2斤 |
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黄浅緑(きあさみどり) |
絲1絢 |
藍 小半圍
黄蘖 2斤 |
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青緑(あおみどり) |
帛(はく)1疋 |
藍 4圍
黄蘖 2斤 |
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深縹(ふかきはなだ) |
綾1疋 |
藍 10圍 |
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現在、私たちが「藍色」として認識している色です。この後、葉を発酵させる方法や加温する方法などが発明され、江戸時代に木綿の栽培が普及して、いわゆる「藍染」は発達しました。 |
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中縹(なかのはなだ) |
綾1疋 |
藍 7圍
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浅縹(あさきはなだ)
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綾1疋
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藍 1圍
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深藍色(ふかきあいいろ)
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絲1絢
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藍 1圍小半
黄蘖 14両
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この当時、藍色と名付けられた色は、青と黄色を重ねて染めた青緑色のことでした。 |
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浅藍色(あさきあいいろ)
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綾1疋
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藍 半圍
黄蘖 8両
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深黄(ふかきき)
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綾1疋
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苅安草 大5斤
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灰 1斗5斤
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浅黄(あさきき)
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綾1疋 |
苅安草 大3斤8両 |
灰 1斗2升 |
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