紫系の色 -その2-

桔梗色(ききょういろ)

 
R132:G80:B152
#845098
C59:M74:Y0:k1

秋の七草のキキョウの花の色。あざやかな青紫色です。平安王朝の襲の色目で、桔梗重ねは表を二藍、裏が緑のものをいいました。

「美しい美しい桔梗いろのがらんとした空の下を」
──宮沢賢治 銀河鉄道の夜(1927)

紺桔梗(こんききょう)

 
R116:G79;B151
#744F97
C67:M73:Y2:K1

紺色がかった桔梗色。

紺吉更(コンぎきょう)の茄子漬を一ツくださゐといふたは、私が素見に行た時、急度見届て置ました」
──洒落本・廓中美人集・異見の段(1779)

紅桔梗(べにききょう)

 
R146:G80:B152
#925098
C52:M75:Y0:K1

赤味がかった桔梗色。

「顔に少しは紅桔梗の、前垂の紐、縄暖簾」
──浄瑠璃・関取千両幟(1767)

錆桔梗(さびききょう)

 
R111:G73:B129
#6F4981
C65:M74:Y13:K9

彩度の低い桔梗色。彩度の低い鈍い調子の色の形容に「錆」の字が用いられています。赤錆ではありません。

菫色(すみれいろ)

 
R123:G61:B147
#7B3D93
C65:M91:Y0:K0

スミレの花の色。万葉の時代から親しまれてきた花です。

菫色の手巾で口許を蔽うて笑ったが」
──泉鏡花 婦系図(1907)

菖蒲色(あやめいろ・しょうぶいろ)

 
R84:G45:B142
#542D8E
C87:M86:Y0:K0

アヤメやショウブの花の色。青みのかかった紫。端午の節句を飾る色で、この節句の祝儀に用いられたのが菖蒲重ねです。ちなみにショウブはサトイモ科です。

「あやめ あゐがちたるを桔梗といふ。赤みがちたるを菖蒲といふ」
──手鑑模様節用(1789頃)

杜若色(かきつばたいろ)

 
R84:G45:B132
#542D84
C84:M88:Y2:K1

カキツバタの花の色。アヤメやショウブに比べて華やかなかんじの花です。カキツバタはアヤメ科の多年草。アヤメによく似ていますが種類が違うんですね。

「雑色源頼実執地敷 三重杜若色浮線綾、以象眼為裏、重其上縫葦手、以其裏銀鏤文」
──長元八年関白左大臣頼通歌合(1035)

藤色(ふじいろ)

 
R166:G148:B194
#A694C2
C42:M42:Y0:K1

藤の花のような青紫。藤重ねは表がうす紫、裏が青(緑)でした。

「頸のあたり如何にも清げなる、藤色の半襟や花染めの襷(たすき)や、それらが悉く優美に眼にとまった」
──伊藤左千夫 野菊の墓(1906)

薄藤(うすふじ)

 
R211:G198:B231
#D3C6E7
C22:M22:Y0:K0

薄い藤の色。

うすふぢぞめのあさごろも」
──浄瑠璃・あこぎの平次(1688頃)

藤紫(ふじむらさき)

 
R156:G121:B175
#9C79AF
C46:M55:Y1:K1

藤色よりやや濃いめの色。近代、藤色の和服が大流行してこの名前がついたとの説も。

藤紫のなまこの半掛」
──広津柳浪 今戸心中(1896)

紅藤(べにふじ)

 

R183:G140:B188

#B78CBC
C33:M49:Y0:K0

赤味がかった藤色。明治・大正時代に大流行しました。ライラックの花の色に近いですね。

薄紅藤(うすべにふじ)

 
R223:G192:B227
#DFC0E3
C18:M26:Y0:K0

紅藤のさらに淡い色。英名pale lailac(ペールライラック)

藤鼠(ふじねず)

 
R167:G155:B187
#A79BBB
C40:M36:Y7:K3

灰みがかった藤色。英名ではlavender gray(ラヴェンダーグレイ)がこれに近い色です。

楝色・樗色(おうちいろ)

 
R93:G65:B146
#5D4192
C79:M79:Y0:K0

センダン(楝)の花に似た色。桔梗色と同じという説もあるそう。「おうち」はセンダンの古名で、重ねの色目にもあります。

「下仕へはあふちの裾濃の裳」
──源氏物語・蛍(11世紀初)

茄子紺(なすこん)

 

R50:G6:B56

#320638

C69:M79:Y33:K66

茄子の実の表皮の色。暗い紫寄りの紺色。

「女は髪を束髪にして、茄子紺の単衣(ひとえ)をきていた」
──中山義秀 魔谷(1949)

紫紺・紫根(しこん)

 
R59:G4:B50
#3B0432
C58:M73:Y35:K70

ムラサキソウの根の色。その根で染めた色。「紫紺」は明治時代になってからの用字です。

「わが頭上に懸る紫紺の空」
──三木露風 廃園.夜(1909)

鳩羽紫(はとばむらさき)

 
R83:G53:B90
#53355A
C62:M73:Y18:K40

土鳩の羽毛の色のような暗い灰紫。もっと彩度が低くなった色は鳩羽鼠。

「鹿の子模様の鳩羽色なるを来たり」
──島崎藤村 落梅集・七曜のすさび(1901)

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