朱色(しゅいろ)
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R217:G53:B31 |
#D9351F |
C0:M90:Y100:K5 |
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英名のvermilion(バーミリオン)。硫化水銀から作る人工顔料の色です。朱という色名がこの色に当てられたのは意外に新しく昭和初期のことです。天然の朱は中国辰州産の砂から採った顔料で、もっと紫味のあるくすんだ色でした。
「朱に交われば赤くなる」
──諺より(1599頃)
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真赭・真朱(まそお)
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R213:G62:B60 |
#D53E3C |
C8:M87:Y78:K1 |
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中国辰州産の砂・辰砂から作る天然の朱色。古代中国の5つの正色のひとつ。南の方位を表わす想像の鳥を「朱雀(すざく)」としています。「朱夏」と、夏を表わしてもいます。
「花薄まそほのいとをくりかけて絶ずも人を招きつるかな」
──散木奇歌集・秋(12世紀前)
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銀朱(ぎんしゅ)
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R227:G64:B27 |
#E3401B |
C1:M86:Y99:K0 |
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天然の朱色・真朱に対し、硫黄と水銀から作る人造の朱のことをいいます。朱墨や朱肉の原材料です。
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洗朱(あらいしゅ)
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R217:G104:B73 |
#D96849 |
C9:M72:Y72:K1 |
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朱色を洗ったような、黄味を帯びた薄い朱。
「はれはれと 波の洗朱出る旭」
──雑俳・勝句寄(1730)
「このごろ洗ひ朱の松がはやりましてな、朝日の松といふものですかな」
──幸田文 流れる(1955)
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潤朱(うるみしゅ)
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R195:G76:B54 |
#C34C36
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C16:M82:Y84:K4
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黒みを帯びた朱色の漆で塗った赤。
「うるみ朱の煙草盆に炭団(たどん)の埋火絶えず」
──浮世草子・好色一代男・一・七(1682)
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丹色(にいろ)
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R213:G84:B49 |
#D55431 |
C9:M80:Y88:K1 |
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丹とは一般に赤い色を指し、朱色の原料・辰砂も丹砂などといいまが、丹色の方が朱色より茶色を帯びたものをいうことが多いようです。
「物部の 我が夫子が取り佩る 太刀の手上に 丹画き著け」
──古事記・下・歌謡(712)
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赤丹(あかに)・鉛丹(えんたん)
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R216:G53:B16 |
#D83510 |
C6:M87:Y100:K1 |
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赤丹は赤い土や赤い顔料のこと、鉛丹は酸化鉛の色のこと。鉛に硫黄や硝石を加えて焼いて製したもの。陶磁器の釉薬や、錆び止めの塗料などに使います。西洋では、古代ギリシャで、鉛白を積んだ船が火災に遭い、偶然に発見されたという伝説もあります。
「遠御膳の長御膳と赤丹乃穂に聞こし食す五の穀物を」
──延喜式・祝詞・龍田風神祭(927)
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東雲色(しののめいろ)・曙色(あけぼのいろ)
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R239:G138:B105 |
#EF8A69 |
C1:M59:Y55:K0 |
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東の空が夜明けに色づくかのような、ほのかな黄赤。平安時代からの伝統色名では、ピンク系の色は、紅花での染色の色(一斤染、退紅、薄紅など)か、身近な花の色(桜色、紅梅など)でした。近世になり、あけぼのや東雲などが色名と使われるようになったのは、18世紀後半頃に古来の染色技術の発達が頂点に達し、かなり微妙な色彩を染め分けることができるようになったからとも思われます。
「いたいたしい快活さとでも謂へるものが、激しい運動のあとでもえ立った頬の曙いろに窺はれた」
──三島由紀夫 遠乗会(1950)
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