疑惑〜確定診断編 >>>>


摘出手術・治療編 >>>>


乳房再建編 >>>>


乳頭乳輪再建・経過観察編 >>>>

当たり前の普通の生活に少しずつ戻っていく

一日でも早く皮膚状態をよくしなきゃ

再建手術後の身体のさまざまな変化

それはきっと、神のみぞ知る領域

乳房再建にまつわるいくつかのニュース

乳頭乳輪再建。ついにおっぱいが完成する!

久し振りの手術の夜の痛み

完成おっぱいとの対面はまだお預け

僕が医者続けてる限りずっと診るからね

乳房再建は心の再建

「毛」が生えてきた!?

私はもう “患者” ではない

ホルモン治療薬あれこれ

乳癌と乳房再建の意識調査

ホルモン剤を切り替える

ゾロゾロ出てくる副作用

ちょっと蹴つまずいちゃった3年目検診

形成手術って気長でないと立ち向かえない

カルテに書かれたExcellent!!

「もうメソメソ泣かないでもすむね」


ついにサバイバー編 >>>>


このページの記述に関してのご質問、コメントなどがございましたら、直接メールでいただけますようお願いいたします。

「毛」が生えてきた!?

次の形成外科の通院日は4週間ぶりの4月21日。再建乳頭乳輪の状態をチェックし、いくつかツンツンと飛び出した糸を抜糸した。表面に見えている部分の抜糸は終わっているのだが、時間が経つに連れて内部を縫った糸が中から押し出されてくるのだそうだ。

この日の外来待合室で、私のちょうど1年前に手術したOさんと偶然に会った。彼女が自家組織再建を考えてM病院を初受診した日、私は最初の乳癌摘出とエキスパンダー挿入手術を終えて術後の通院をしている頃だった。サクッと悪いものを取って、まるっとシリコンに入れ替えて、乳癌なんてなかったことにするんだ!と意気込んでいた頃だ。入院時期が一緒だった自家組織再建の知人とお喋りをしている時に「S先生の執刀で再建された方ですか?」とOさんが声をかけてきたのが知り合ったきっかけ。Oさんは自家組織再建をするか、するとしたら病院や執刀医をどこにするか迷っていて、とりあえずあちこちの形成外科で話を聞いているところだった。その日はその場限りの話で終わったのだが、2ヶ月ほど経って再び外来で顔を合わせた。

結局OさんはS先生の執刀で再建すると決め、キャンセルによる手術日の空きが出来たとかで急遽手術をねじ込んでしまったそう。その日は術前のレントゲンや心肺機能や血液検査に訪れたところだったのだ。私はというとエキスパンダーの拒絶反応(その時は感染症と思っていた)の治療が思わしくなくて、二転三転先が見えない状態だったので、精神的に落ち込んでいて会話の内容をあまり覚えていなかった。手術予定日だけはかろうじて記憶に止めたものの、Oさんのフルネームも連絡先もちゃんと聞いていなくてそれきりになっていた。

お互いに「あの人どうしたかなあ……?」などと心の隅で気にしていたので、偶然に会えてよかった。診察後、小一時間ほどお茶して近況報告をしあう。Oさんは、私が多少トラブってはいても最終的にはシリコンで再建するだろうと思っていたわけだが、人工物での再建を諦めて自家組織再建し、その後も溶解脂肪がダダ漏れたり背中の傷が酷いことになったりといった顛末は初めて伝えることになった。

彼女は再建手術後に腕がぴくりとも上がらなくなったそうだ。彼女曰く、乳癌手術後にリンパ浮腫を恐れて術側の腕をいっさい使わず大事大事にしていたので筋肉が萎えていたからではないかとのこと。S先生にも初めてのケースで、整形外科からリハビリ室の療法士まで巻き込んでおっかなびっくりの入院治療だったそう。
「リハビリのために動かしちゃったから、背中の傷の縫い目が幅広になっちゃったのよねぇ」本当にひとりひとり予後が違いすぎてびっくり。
「でもね、乳癌の定期検診の時にね、ついでに再建したところもちょっとエコーで診てもらったの。そしたらね、脂肪や筋肉の配分やバランスが本来の乳房とすごく近い状態なんですって」
「え? どういうこと?」
「あのね、エコーで診ると組織がね、しっかりと筋肉を芯にしながら隙間に適切に脂肪がついていてね、それがしっかり成着してるんですって。素晴らしい!とか言われちゃった」
つまり、背中から採った組織をただ丸めて詰め込んでいるわけではなく、筋肉と脂肪が層になるように成形してあるってことなのか……。だから、脂肪が溶解してしまっても乳房に大きな変形は起きなかったのね。

次の診察もまた1ヶ月後。
GWに入った頃、再建乳頭のてっぺんから糸がツンツン飛び出してきた。いつまでしつこく糸が出てくるんだろうと思っていたら、どんどん長く伸びてくる。よく見てみると、なんと「毛」だった。まるでオバQの「毛が3本」状態。つまり毛根ごと皮膚移植されて、それが根づいて伸びてきたってことで……考えるとすごいことだけど、毛の出自を思うととっても嫌。眉毛カット用のはさみで切ってみたが、一週間もするとまた伸びてくる。嫌だ、嫌。すごい嫌!

伸びてくる「毛」を一日か二日おきにカットしながらようやく迎えた5月22日のM病院受診日は、乳頭乳輪再建手術からちょうど3ヶ月だった。今日は再建乳房の撮影をする。私のカメラでも撮ってもらった。
撮り終わってから「毛」のことを恐る恐る相談した。
「あー……、そうなんだよね。皮膚の色の合うところ使おうとするとねぇ、そこに毛根があるとねぇ」S先生もなんとなく苦笑気味。そうだよねえ、私だって恥ずかしいよ。とりあえずピンセットで引っこ抜いてもらったが、ちっとも痛くなかった。1ヶ月ほど経ってまた1〜2本ヒョロヒョロっと伸びてきたので、今度は自分で毛抜きで抜いた。そんなことが3回くらいあったけれど、その後はもう「毛」が伸びてくることはなかった。どうやら移植毛根は全部駆逐できたらしい。

S先生の撮ってくれた写真を見てみると、再建胸が心持ち外側下側に流れている。自分で撮ったり鏡に映したりする時はそうでもないのは、見栄えがいいように姿勢を整えてしまったり、視点に自己修正のバイアスがかかってしまうからだろうか。でも、きっとこの写真が現在の私のありのままの状態なのだ。健側乳房も年齢相応に劣化してしくのだが、芯となる中身の乳腺組織がないため再建乳房の方が崩れやすいのは確かなわけで、せめて両側の足並みを揃えなくては。

とりあえずサイドから持ち上げた状態をキープして横流れを防がなくてはならない。これまで就寝時にはノーブラだったが、ナイトブラなるものを着用してみることにした。いろいろな名称の商品があり値段もピンキリだったが、最初は一番信頼感の高そうなワコールの製品にしてみた。通販で購入してみたのだが、届いた商品は意外にソフトで、思わず「こんなんで大丈夫なの?」と口に出してしまったくらい。そのかわり着用していても全然ストレスがない。これで横流れ防げるなら御の字だわ。

  >>> Back to HOME

 
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送