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1年めの検診を迎える

皮膚パッチテストの一週間

検診結果は無事クリア

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いよいよ入院

乳房再建のためのデザインを施す

手術まで首を洗って待つのみ

手術──再び辛く長い一夜

なんでこんな手術受けちゃったんだろう……

再建乳房と感動の初対面!

再び苦しむ激痛の夜

入院生活のタイムテーブル

快復停滞の分岐はどこにあるの?

そろそろ退院が視野に入ってきたかな

30日ぶりで外の世界へ

背中の大怪我、続行中

ドレーンを入れての強制排液

「カサブタ剥いじゃおうね」

恐怖の溶解脂肪ダダ漏れ事件

医療従事者と患者との間には温度差がある

傷口が裂けちゃった!

背中の傷に植皮を開始

遺伝性乳癌による予防的乳房切除に思うこと

いっこうに脂肪流出が止まらない

乳癌治療に関するいくつかのニュース

そろそろ心が折れてきた

身体はちゃんと頑張っていたんだね

旅立ってしまった友

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そろそろ退院が視野に入ってきたかな

2月も3分の1が終わって、3度目の週末がやってきた。三連休なので退院する人も多く、またも病棟は閑散とゆるい雰囲気になってきた。毎日順調に減っていた排液量は、2月5日過ぎから下げ止まり、60〜70cc台を行ったり来たりと数日間足踏みした挙げ句、61ccから97ccまで増えてしまった。そろそろ術後3週間になるので、ドレーン抜去のタイミングなのだけど……。
ボトルに溜まる排液を見る限りでは、透明でオレンジ色したリンパ液のような感じで、ほとんど血液の色はしていない。シャバシャバした感じでドロドロした様子もない。ただただ量が多いのだ。滲出液が増え始めたあたりから、全身の倦怠感が酷くなり、微熱まで出てきた。腰から脇腹を触ってみると、皮下に管が2本入っているのが明らかに判り、この辺りが疼くようで地味に痛い。抗生剤を処方されて2日間ほどぐったりしていたが、これってもしかして……私の身体がドレーンの管を異物認識し始めたのでは?

1月末から2月にかけては暖かく穏やかな晴天が続いていたが、回復が足踏みし始めた頃から暗い曇天やみぞれ混じりの雨降りの日が多くなった。やっぱり窓から見えるのは青空がいいな……。
術後ちょうど3週間の2月12日になってもドレーンは抜いてもらえなかった。最短距離を行く人はかっきり3週間で退院しちゃうのだけど、形成の病棟で長年みてきたナースいわく「みなさんだいたい4週間±2〜3日です」とのことだ。私の場合は、あと1週間で退院可能かどうかは今のところ微妙。とりあえず4度目の週末を迎えることは確定してしまった。標準の入院スケジュールだと18日の月曜が退院予定日だけど、どうなるかな……? そろそろ入院生活に飽きてもきたけれど、外に出るのはまだちょっと怖いのである。
「今、めちゃくちゃ寒いからさ、まだ病院の中でヌクヌクしてた方がいいよ」お見舞いに来てくれた友人は言う。ただ、病棟も混んでいるのだ。ベッドを回す都合もあるだろうし、+2〜3日ということで、20日とか21日とか、そのへんの退院を目指したいなあ。

トントン拍子に行く人と長引く人との分かれ目って、術後2週間過ぎあたりにあるのね。すんなり快復していける人は何が違うんだろう? 60代よりは30代の方が快復も早そうだが、一概に年齢だけでもないみたい。何人かの再建患者を見た感じでは入院3週間コースの人はスリムなタイプの人ばかりだった。体脂肪が低く皮下脂肪の質が良質であることと、乳房も比較的小ぶりなため取ってくる組織の量も少なくてすみ、傷も小さく負担が軽くなるということなのかな。
背中の黒ずみ部分も今まさに分かれ目にあるようだ。完全に壊死すれば切って剥がしちゃうんそうで、その方が結果的に早く治るとのことだけど。でもそれって、いったん褥瘡みたいになるわけだからねぇ。なんとか皮膚が生き返ってくれないものかしら……

2月14日の夕食には小さなチョコレートケーキが添えられていた。星形のニンジンの浮いたクラムチャウダー、ハート形に抜いたポテトサラダ、メッセージ入りのピンクのカード……ああ、今日はバレンタインデーなんだ! 病院の調理室で焼いたらしきケーキは不格好で、思い切り糖分脂肪分控えめでポソポソしていたけど、なんか気分が上向いて嬉しかった。食べ終わった食器を戻す時に「ありがとう」のメッセージを書いたメモと3〜4個のキャンディをトレーに乗せておいた。

翌日は朝から冷たい雨が降っていて、9時台にみぞれから本降りの雪になった。私は廊下の一番奥の全面ガラス窓の前に椅子を置き、街が白色に覆われていく様子を飽きずに眺めていた。雪はひとしきり降ってうっすらと白化粧させたところで唐突にやみ、雲の切れ間から青空が見え始めてきた。なーんだ、積もらないのか……。

そして雪が唐突にやんだように、お昼の診察と処置でいきなりドレーンの管を抜いてもらえることになった。だいたいの目安の術後3週間に2日遅れ。抜く基準の30cc以下まで減ってないけれど、私の場合は管が入っていることが逆に刺激になって排液量が増えたり発熱したりしている可能性があるかも……って。私の身体、異物嫌いだからねえ、それはありえるわ。ぐずぐず疼いて痛む違和感は本当に不快なので、早くどうにかしてほしい。でも……
「……抜くの痛くないですか??」乳癌手術の時、体内を管がズルズル動いていく感触が気持ち悪かったし、抜いた後の穴もズキズキと痛かった記憶がある。今回は体内に入っている管の長さも入れていた期間も全然違うから……、おまけに2本もだし。
「ああ、それねえ、痛いんだよ! すご〜く。あなたなんか泣いちゃうよ、きっと!」S先生は大仰な物言いをする。
「ええええっ」
「僕が抜くと痛いんだけどねえ、T先生は巧いからねえ」
「………」などとS先生とやり取りをしていると
「ハイ、終わりました」とT先生の声。振り返ると先生が抜いた管を持ってニコニコしていて、おちょくられたと気づいた。だけど、全然痛くなかった。何も感じなかった。豚の鼻のように2つ並んだ穴が腰の部分に開いている。この傷も全然痛くないので、感覚はほとんど戻ってないってことかな。
「ドレーン要る? 捨てちゃっていい?」はあッ? 要りません、そんなもの。
「欲しがる人なんているんですか?」
「ううん。でも、あなたはもしかしたら欲しがるかなあって」
「要りません」
「じゃ、捨てちゃうよ〜、ハイ、さようなら〜〜〜!」S先生はボトルごとドレーンバッグをゴミ箱に投げ入れる。24日間もの長きにわたって私と一体化していたドレーンバッグ、いよいよ離れるとなるとちょっと名残惜しい。要らないけど。とりあえずゴミ箱の奥のドレーンバッグに向かって小さく「あばよ」と言ってみた。
今後は滲出液の溜まった分だけ毎日注射器で抜いていく。減り方にもよるけれど、これでだいたい退院が視野に入ってきたかな。来週中には出たいなあ。5回目の週末は迎えたくない。

ほんの数日前の私は、まだまだ外の世界が怖かった。1月分の入院費の精算手続きに1階まで降りて、試しにロビーを横切ってみたりしたけれど、人がたくさんざわざわしてるし、足元が心もとない感じで怖かった。
ドレーンを抜いてもらった後、外来受診に来た友人と話をしに院内のカフェまで行ってみたら、意外に平気だった。日に日に身体の芯みたいなものがシャキッとしてきている感じはする。痛み止めはまだまだ欠かせないんだけどね……。

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