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手術──再び辛く長い一夜

なんでこんな手術受けちゃったんだろう……

再建乳房と感動の初対面!

再び苦しむ激痛の夜

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快復停滞の分岐はどこにあるの?

そろそろ退院が視野に入ってきたかな

30日ぶりで外の世界へ

背中の大怪我、続行中

ドレーンを入れての強制排液

「カサブタ剥いじゃおうね」

恐怖の溶解脂肪ダダ漏れ事件

医療従事者と患者との間には温度差がある

傷口が裂けちゃった!

背中の傷に植皮を開始

遺伝性乳癌による予防的乳房切除に思うこと

いっこうに脂肪流出が止まらない

乳癌治療に関するいくつかのニュース

そろそろ心が折れてきた

身体はちゃんと頑張っていたんだね

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身体はちゃんと頑張っていたんだね

2013年7月6日、関東甲信越地方は平年より15日も早く梅雨明けしてしまった。気温も急激に上昇し、毎日35度超えで頭が沸騰しそう。
ノルバデックスの副作用のホットフラッシュも多少気になるけれど、そんなことよりお腹周りがびっしりと汗疹になってしまったのが耐えられない。背中の圧迫の必要はもうなくても傷跡むき出しなのは怖かったし、かなり広い範囲で皮膚感覚がおかしいから着衣が触れたり擦れたりがかなり不快だったので、保護のために腹帯を巻いていたのだけれど……。この暑さではもう限界かも。

とはいえ、じとじとした梅雨の間は痛くてたまらなかった背中の傷も、猛暑になってからは静まっている。暑さも一長一短というわけだ。ところが、昼頃から猛烈にキリキリと息苦しくなるような痛みが襲ってきた日があった。突然どうしたんだろうと思っていたら、その数時間後にゲリラ豪雨があった。急激な気圧の低下に反応したようで、むしろ雨が降り始めてからはさほど痛まず、ピーカン猛暑に戻った翌日は全然痛まなかった。朝の天気予報では「今日も急な雷雨に注意」などと言っていたけれど、これはおそらく降らないな……と感じた。本当に一日中ポツリとも降らなかったので、私の雨降り予報的中率はかなりのものかもしれない。いちいち痛すぎるのが難点だけど。

7月も半ばになる頃には溶解脂肪流出も急速に止まりつつあった。
実は私はこの2〜3週間というもの、シャワーを浴びるたびに乳房上部をじわーっと押しては脂肪を絞り出していたのだ。もちろん、S先生やT先生には内緒で。最後まで厚いデコルテ部分が溶け終わらない限り、チョロ漏れは続くだろうと悟ったし、再建乳房の変形もないだろうと確信も持てたし、だったら終わる時期を少しでも早めてしまえるのではないかと思ったから。だって、もういいかげんガーゼ交換の日々から解放されたいんだもの。
指で押し絞る痛みは日に日に少なくなっていき、胸すべてが柔らかくなると、透明なリンパ液のようなものとか少量の血が滲む以外にはクリーム状のものはいっさい出てこなくなった。これはもう完全に止まるのも秒読みかも?

ついに7月18日、完全に脂肪は止まった。4月初めに決壊ダダ漏れして3ヶ月半! ……長かった。想像以上に長かった。
最初はそれはもう驚いて半狂乱になったけれど、Y先生がほとんど絞り出してくれたので、一週間か10日くらいでケリがつくと思っていた。それなのに「半月経っちゃった」「あれ、1ヶ月過ぎた」「来週くらいには止まるかな」「もう2ヶ月だ」とズルズルズルズル……。いっこうに先が見えない状態は、本当に心折れる日々だった。

ガーゼの消費量だって、すごかった。とりあえずドラッグストアで10m巻きのものをひとつ買ったのだが、そもそも現代の普通の家庭では傷の手当てにガーゼを使うことなんてないので、とんでもなく割高なのだ。めったに売れないから店の在庫も少ない。「これを使い切る頃には止まるよね」「止まってくれえ!」と念じながら一巻きずつ買うことをいったい何度繰り返したことか。最終的にはガーゼ代金の合計は9000円を超えていた。こんなに使うのなら、ネットで安く箱買いしておくべきだったけど、まさかここまで延々と脂肪を垂れ流し続けることになるとは、みじんも想定してなかったんだから仕方ない。ところが、止まる時というのは急速に訪れるもので、最後の一巻きは使い切らずに半分以上が残った。

もちろん、ガーゼ代金の高さにくじけて途中で安価な量産品で代用してみたりもしたのだ。ティッシュ、化粧用コットン、パンティライナー、尿漏れパッド、生理用ナプキン、キッチンペーパー、脂取紙……いろいろ試して組み合わせて、どれもみんなダメだった。脂肪のようなドロドロしたものは吸わなかったり、一回吸うもののベトベト逆戻りしたり、肌触りが痛かったり、酷くかぶれたり……。結局、傷口にはガーゼが一番! 長年使われているにはちゃんと理由があって、これに優るものはないという結論が出ただけだった。

受診日まではあと一週間ある。リンパ液のようなものがじわーっと滲んでくるので、きっと形成の先生たちには推奨されないだろうけど、早く傷穴をふさいでしまいたい一心でキズパワーパッドを貼ってしまう。一番大きなサイズにしたけれど、すぐに白く膨らんでぶわぶわになり、最初は半日しか保たなかった。次は2日近く保ち、その次は4日保った。

7月25日、形成受診日の朝。早起きして念入りにシャワーを浴びながら丁寧にキズパワーパッドを剥がしてみた。リンパ液漏れも完全に止まり、傷穴もふさがりかけている。まだ三角形に陥没しているし、周りは赤くかぶれてただれているけれど……もう中からは何も漏れてこない! とにかく穴はふさがった! 長かった! 本当に本当に長かった……!
退院して丸5ヶ月、数えてみたら今日で23回目の通院になる。待合室には顔見知りはひとりもいないだろうけれど、こんなに軽い足取りでウキウキと病院に向かうのは初めてのこと。

「脂肪止まりました〜〜! 完全ストップです!!!」VサインとともにT先生の診察室に入った。
「うわ〜、ホント?」
「ハイ! 少なくなり始めたら急にパタッと」
「うんうん。時期が来たらちゃんと止まるのね。……ね? いじらないでソッとしておいて正解だったでしょ?」
「……ハイ」とりあえずニコニコしながら頷くにとどめておく。毎日こっそり絞っちゃったのは内緒だけどね。Y先生ほどギュウギュウ絞ったわけではないけど、ソッとしておいたらこの先何ヶ月出続けることになるかわからないもの。でも、わざわざ報告してカドを立てることもあるまい、結果オーライだ。
「ということは……私の処置は今日でめでたく卒業ですね」
「ああ、ようやく……。いろいろお世話になりました!」
今後は再建乳房に関してはS先生に定期的に診てもらうことになる。いずれは乳頭乳輪の再建手術もするだろうし、背中の傷も縫い直したいけれど、それはまだまだ先の話。その時にはきっとまたT先生にもお世話になるだろう。

いったん待合室に戻り、今度はS先生に呼ばれて術後半年の診察を受ける。
いろいろトラブルが絶えなくて、どうなることかと暗澹たる気持ちになっていたけれど。でも半年経って、気づいてみると肉のデコボコしたところが平らになりつつあったり、どす黒かった皮膚の色に赤みが戻りつつあったり、急にいろいろ変化してきていた。思った以上に私の身体はちゃんと頑張っていたんだなあ……。次の診察日は3ヶ月後。その間のヒルドイドクリームも大量処方してもらい病院を後にする。

ああ、これでようやく通院地獄から解放された! ホントにホントにホントに長かった〜〜!!

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